気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン パーカーの王権神授説批判 この段階のリルバーンに欠如していた積極的な抵抗の理論を明確に示したのが、同時代のヘンリー・パーカー(一六〇四~五二)の論文「国王陛下の最近の回答と発言の若干にかんする考察」(一六四二年)である。リルバーンも愛読して引用していたこの論文では、法律家で長老派のパーカーは、国王チャールズ一世の勅命を批判しながら、三つの論点から、明確な人民主権論を展開する。第一の論点は、ジェームズ一世以来の王権神授説の批判である。第二の論点は、自然法に依拠した人民主権論である。第三の論点は、議会の権利についての議論である。 第一の王権神授説の批判からみてみよう。この時代のイギリスの国王は、統治の権利は神から授けられたものであると主張していた