スティグリッツの経済学 「見えざる手」など存在しない 作者: 藪下史郎出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2013/02/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る 経済学者ジョセフ・スティグリッツの評伝、その経済学上の思考のエッセンスから、活動家としての側面、それと経済学的思考とのつながりなどを含め、コンパクトにまとめられている。 スティグリッツは、世界経済、米国経済の抱える多くの問題を指摘し、また、新古典派経済学に基づき、経済自由化と競争を推進するIMF等の考え方を「ワシントン・コンセンサス」とよび、東アジア通貨危機に見舞われた国々に対して、政府支出の削減と金融引き締めを求めたことを強く非難したことで、市場原理主義に対する批判者という側面が注目されている。しかしその一方で、「基本的競争モデル」とよぶ競争的な市場を前提とした新古典派経済学の原理