『本当の貧困の話をしよう―― 未来を変える方程式』(文藝春秋)はノンフィクション作家の石井光太さんが、少年少女向けに「貧困」について語りかけた本だ。17歳ぐらいの読者を念頭に置いている。石井さんは、最近はNHKの「クローズアップ現代+」にもレギュラー出演しているから、テレビでもおなじみの人だ。 どうすれば貧困から脱出できるか 1977年生まれの石井さんは2005年『物乞う仏陀』でデビュー、いきなり開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞にノミネートされた。アジアの路上で出会う子供のもの乞いや障害者の背後にある現実を描いた壮絶なルポだった。さらに11年の『レンタルチャイルド』(新潮社)が第33回講談社ノンフィクション賞にノミネート。東日本大震災に関連した『遺体-震災、津波の果てに』は各メディアにとりあげられ、いちだんと注目されるようになった。 日本の少年犯罪や、貧困の問題にも関心