ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (44)

  • 政治家を育てる質問

    12月16日の衆議院選挙投票日。テレビ東京の開票特番「池上彰の総選挙ライブ」を担当しました。 放送中から思わぬ反響をいただき、テレビ東京にはいまも再放送やDVDの発売を求める声が寄せられているそうです。 テレビ東京の人たちはもちろんのこと、外部スタッフが総力を挙げて制作・放送したものですから、当然の評価とはいえ、その一翼を担った私も嬉しく思います。 いつも「いい質問ですね」が口癖の私としては、視聴者に「いい質問ですね」と言ってもらえる内容を目指したからです。 ただ、党首や候補者への私のインタビューは、ジャーナリストとして当然のことをしたまでで、これに関する評価は面映ゆいものがあります。 というのも、たとえばアメリカテレビ政治番組なら、政治家に対しての容赦ない切り込み、突っ込みは当然のことだからです。 日なら「失礼な質問」に当たるようなことでも、平然として質問をしますし、質問を受けた側

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    payato2 2012/12/24
  • NY地下鉄で死ぬ直前の男の写真が撮られたとき、他の乗客は何をしていたか

    ニューヨークのタブロイド紙『ニューヨークポスト』が火曜、前日に地下鉄駅で起きた事故を報じた。いや、正確には事故になる瞬間を報じたと言った方が正しいだろう。 乗客同士の言い争いで50代の男性がホームから突き飛ばされ、そこに入ってきた電車に挟まれて死亡した。ニューヨークポストが1面で大きく掲載した写真は、ホームに手をかけ数メートル先に迫った電車のほうを振り返った男性の姿を捉えている。タイトルは、「万事休す、線路に突き落とされた男が死に行く瞬間」。 この事件は、いくつもの意味でいたたまれない気持ちにさせる。 まずジャーナリズムの観点から、こんな写真を載せる必要があったのかという点。数秒後に死のうとしている人間の姿を晒すことに、センセーショナリズムを煽る以外の意味があるのか。 もし事故の様子を伝えることが目的だったのならば、文章で説明し、写真は意図的に掲載しないという選択肢もあっただろう。だが同紙

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    payato2 2012/12/05
  • 「親日」か「反日」かでは語れない領土問題

    香港人活動家の尖閣上陸で始まり、19日の日曜日には中国各地での反日デモにまで発展した騒ぎに、「これからどうなるのだろう」と感じている日人は少なくない。わたし個人は逆に中国人の方が泰然としているという気がしている。というのも中国人はある意味、単純明確に「領土問題」としてこの事件をとらえているのに対して、逆に日側には見えていない点があまりにも多く、その状態で解読しようとすればするほどわからなくなり不安に結びつく、つまり「知らないこと」が猜疑を生んで怖れや戸惑いに結びついているように見える。 今回まず明らかになった「不明点」は、日社会には尖閣(中国では「釣魚島」、台湾や香港では「釣魚台」と呼ぶ。稿では中国側視点を紹介する場合は「釣魚島」で統一する)を巡る領土紛争についての認識に大きな誤解があることだ。 活動家の上陸が伝えられた瞬間から、ツイッターなどでは「反日」という言葉が飛び交い出した

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    payato2 2012/08/20
    中国の世論にどう対峙するか?という以前に「日本の世論は常に押さえ込める」って前提が崩れつつあると思う。
  • 啓東デモから日本企業が学ぶべきこと

    7月28日に江蘇省南通市にある啓東市で起こったデモ(以下、啓東デモ)は、今後中国に進出する企業、特に工場拠点を構えるつもりの企業は中国の現状をきちんと理解しておくべきことを示す、非常にリマーカブルな事件だ。この事件を「反日」や「官製」、さらには「民主化要求デモ」で括ってしまわず、きちんと分析して判断、蓄積しなければ、日企業は王子製紙だけではなく、今後中国に進出した際に同じような事件に直面するだろう。 今回の事件を簡単に総括するならば、「中国の市民が自分たちの生活を守るために声をあげた事件」だった。この点をはき違えてはならない。「反日デモ」でも「官製デモ」でも、さらにはいわゆる中国共産党政治に反対するような「民主化要求デモ」でもなく、彼らは自分たちの生活を守るためだけに立ち上がったのだった。 王子製紙が江蘇省南通市経済技術開発区(以下、南通開発区)に開設した工場(以下、南通王子工場)はす

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    payato2 2012/08/12
  • 「黒い制服」を脱いで東京を明るく照らそう

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 〔5月2/9日号掲載〕 4月になると、東京は色とりどりになる。桜が咲き誇り、若い枝や新芽が街を緑に染める。東京はもともとカラフルな街ではなく、建物は黒っぽいか灰色かくすんだ白が多い。だが春の訪れとともに自然が自己主張をして、東京に色を塗る。 ただし、東京人は色を塗られまいと抵抗する。私の勤務する大学の入学式では、大学生活の始まりに意気込む新入生の黒い海が広がっていた。4月の初めは学生だけでなく新入社員や、子供に付き添って学校に行く母親もみんな黒を着る。街全体が哀悼の意を表しているかのように。気持ちの高ぶりや新しいスタートを表現したいときに、私なら黒だけは着ない。 春だけでなく一年中、東京は黒を着る機会が世界で最も多いに違いない。月曜日の朝の通勤電車はブラックホールだ。東京中のクロゼットに、黒い服がぎっしり詰まっているのが目に浮かぶ。黒を着る訓練は幼い

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    payato2 2012/05/08
  • 中国人がまだ知らない日本の花見の神髄

    今週のコラムニスト:李小牧 〔4月25日号掲載〕 このコラムの掲載号が発売される頃には既に散っているかもしれないが、今年の東京の花見の季節は、絶好の好天が続いた。去年の大震災直後は中国人観光客が激減したが、今年の春は大勢が日を訪れて各地で桜を楽しんだ。中国人客が増えれば新宿歌舞伎町、そしてわが湖南菜館も売り上げが増えるから、桜には大いに感謝しているところだ。 とはいえ、同じ中国人から見て彼らのマナーに顔をしかめるときもある。あまりに桜がきれいなので、中国人観光客の中には枝を思い切りねじ曲げて自分の顔に近づけ、写真を撮る人たちがいるのだ。目撃者は私だけでなく、ある中国メディアの東京特派員も同じような場面を見て、マイクロブログの新浪微博(シンランウェイポー)に批判的な記事を投稿していた。 実は私も来日した24年前は同じようにして写真を撮ったことがある。要は中国人なりの愛情表現なのだが、か弱い

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    payato2 2012/05/03
  • 盲目の活動家、陳光誠氏の訴え

    今年の中国はリアリティドラマの当たり年なんじゃないだろか。実質的な年の始まりである旧正月「春節」が明けた途端に重慶で王立軍・元市公安局長のアメリカ領事館駆け込み事件が起こり、結局彼が引き渡した証拠資料がもとで薄煕来・元同市党委員会書記が失脚、イギリス人ビジネスマンの殺人容疑で薄夫人が逮捕されるというドラマが進行中なところに、またもびっくりなニュースが先週末に飛び込んできた。 サスペンス小説も真っ青の薄家を巡るストーリー展開(それも、ちびりちびり連載小説のように小出しにされるという、見事な演出付き)に人々が夢中になった後、さすがに疲れはじめた時に今度はその夫人が容疑を認めたという話もちらほら流れてきたのだが、その「結末」を待たずに人々はまた興奮のるつぼへ。 ニュースというのはすでに日のメディアでも報じられているが、ここ2年ほど山東省の自宅に家族とともに外界と遮断されて軟禁され続けていた、盲

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    payato2 2012/05/01
  • バハレーン紀行(3):「F1が大事か、国民が大事か!」

    のんびり紀行文を書き続けていたら、とうとうそのバハレーンで、衝突に火がついてしまった。ここ数日、バハレーンでのF1グランプリの開催に反対するデモが大規模に組織され、バハレーン官憲と激しくぶつかり合ったからだ。20日、F1開催日に行われた最大級のデモでは、反政府活動のリーダーのひとりが殺害されたことが発覚した。 なぜF1に反対するのか? 別に、カーレースがいけないのではない。それどころじゃないだろう、もっと先に国内で政治改革すべきことがあるはずじゃないか、というのがその趣旨だ。実は昨年の三月、予定されていたF1グランプリが「アラブの春」で延期された。バハレーン政府にしてみれば、今年も開催できないなんて沽券に係わる、と考えたのだろうし、反政府側は、昨年開催を見送ったときと比べて改革されたどころか、もっと状況が悪くなっているじゃないか、という思いだろう。 三月にバハレーンを訪れたとき、印象的だっ

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    payato2 2012/04/23
  • 大統領選が呼び覚ます私のなかのアメリカ人

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 〔4月18日号掲載〕 東京で暮らしていてしょっちゅう聞かれるのは、アメリカの何が恋しいかだ。大きなフライドポテトやクラシックロック専門のラジオ局、広い通りを車で走ることももちろん恋しい。でも4年に1度繰り広げられるアメリカ政治の常軌を逸した大騒ぎも恋しくてたまらない。 今年も私は米共和党予備選のニュースを読んで望郷の念に駆られている。アメリカ政治のいいところと悪いところが混然一体となっているのを思い出すからだ。厚かましさ、スタンドプレー、歯に衣着せない発言。東京から見ると宇宙の彼方にあるよその星でも眺めている気分になる。どういうわけか、それが恋しい。 今はメディアのおかげで、遠く離れていてもアメリカ政治を身近に感じられる。ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が大富豪でないふりをし、ニュート・ギングリッチ元下院議長が後ろ向きな考えをまき散らし、リッ

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    payato2 2012/04/23
  • 中国現代史への視座

    誌日版4月25日号の表紙は、赤旗に黄色の「鎌とハンマー」です。久しぶりに見る旧ソ連の国旗......と一瞬勘違いしそうになりましたが、そうではなく、中国共産党の党旗(徴章)でした。 「鎌」は農民、「ハンマー」は労働者のシンボル。虐げられた農民と労働者を守る党が共産党......ということになっていました。中国が、ここまで剥き出しの資主義路線を走っていても、その舵取りをしているのは「共産党」という名称の政党なのです。 この党は、まだ中華民国の時代に上海の一角で産声を上げました。創設以来、数々の党内闘争が起こり、裏切りと失脚に彩られてきました。彩りは血の色でした。 そしてまた、重慶市のトップだった薄熙来の失脚をめぐって党内闘争が繰り広げられているようです。 薄熙来が重慶で展開した「革命歌を歌おう」運動は、文化大革命のことも知らない若者たちが紅衛兵の格好をするという醜悪なものでした。でも、

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    payato2 2012/04/22
  • 過剰セキュリティの「マイナンバー」で電子政府は無用の長物になる

    消費税法案は国会で紛糾しているが、それと一体で決まった「マイナンバー」(国民共通番号)法案は、すんなり閣議決定された。消費税が難航しているので今国会で成立するかどうかは不透明だが、かつて住基ネット(住民基台帳法ネットワークシステム)が「国民背番号」として批判されたのとは大違いだ。これで「電子政府」は実現するのだろうか? マイナンバーという一般的な名前になっているが、この制度の最大の目的は納税者番号である。主要国で納税者番号のない国は日ぐらいしかなく、「クロヨン」などと呼ばれるように所得の捕捉率が低く、不公平の原因になっている。特に消費税の逆進性を緩和するために所得税の還付などを行なう場合、所得が正確に把握できないと事務が膨大になるため、共通番号は不可欠である。 それはいいのだが、今回の制度はこれを超えて政府のすべての手続きにマイナンバーを使わせ、しかもICカードによる人確認を義務づけ

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    payato2 2012/04/21
  • 習近平とジェレミー・リン

    米誌「タイム」が「世界に影響を与える100人」の最新リストを発表した。それをざっと眺めて、わたしが個人的に感じたのが、1)日人が一人も選ばれなかった、2)金正恩が!、3)習近平や汪洋ら中国の新世代指導者も、4)そしてなんとジェレミー・リンが入選!!だった。 1)は「来る時が来たな」という感じ。日人としてこんな感想はよろしくないのかもと思いつつ、世界における日の存在感の急激な減少と、それに対して危機感も緊張感もない国内を眺めていると予想された範囲である。申し訳ないが、海外におけるかつての日へのあこがれや吸引力といったものは激減しており、今かろうじて残っているようにみえるそれは「過去の遺物」でしかない。昨年の100人に入った日人もいわゆる「フクシマ」(外国人から見た、という意味で敢えてカタカナにする)がらみの日人だった。あのような大地震や事故、あるいは事件でも起こらない限り、今の日

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    payato2 2012/04/21
  • 「政文分離」で日朝交流に雪解けを

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク 〔4月11日号掲載〕 太宰治のゆかりの地でもある東京西部の玉川上水。桜の時期を迎えた今は、散策するのに最適だ。その玉川上水沿いの散策道を、僕の母校でもある一橋大学小平キャンパスから西に2キロほど進むと、一見何の変哲もないようで少し異様な空気の漂う大学が現れる。 東京にありながら日人も韓国人も自由に入れず、皆がその存在を見て見ぬふりをする、その名も朝鮮大学校だ。校門を出入りする学生は日語を話し、見た目も日人と区別がつかない。それなのに、キャンパスの塀には「38度線」のような鉄条網が張り巡らされており、上空には近くの基地を飛び立った米軍機が、監視しているかのように飛び交う。 物々しい雰囲気を漂わせるこの大学だが、その中で一際目を引くのはナイター設備を完備した人工芝の立派なサッカーグラウンドだ。だが部員は少ないようで、半分ほどの面積しか使われていない。

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    payato2 2012/04/19
  • バハレーン紀行(2):シーア派住民が立ち上がるわけ

    先週、バハレーンではまだ未完の「アラブの春」が続いていた、と報告した。 そしてバハレーンのシーア派住民は、バハレーン政府や周辺の保守的湾岸諸国が危惧し喧伝するような、「イランの手先」というイメージとは、かなりかけ離れている、と述べた。私の見てきた反政府デモは、女性や若者、子供まで参加する、ローカルな集いだった。 なぜ彼らは立ち上がったのだろう? まだ20歳になるかならないかの普通の若者、女の子たちが「ハマド国王、退位せよ!」と叫ぶ理由は何なのか? デモ隊の主なスローガンのひとつに、「ミクダード師を釈放しろ!」というのがある。前回掲載した写真で、女性たちが掲げていたポスターの人物である。 彼はこの村のモスクの宗教指導者だ。日常茶飯事にかかわる訓諭から、人としてどうあるべきかの道徳、はては政治社会の不正に対する糾弾まで、イスラーム教の宗教指導者はさまざまな説教を住民に行う。コミュニティーの中核

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    payato2 2012/04/15
  • 「消費税増税の前に**が必要だ」という逃げ口上

    消費税をめぐる国会の議論は解散や大連立などの政局的な話ばかりで、肝心の増税が必要かどうかはほとんど話題にならない。自民党も増税には賛成なので、争点は時期だけだ。反対派はみんな「増税の前に**が必要だ」というが、これは問題を先送りする政治家の逃げ口上にすぎない。主なものをあげてみよう。 1)増税の前にムダの削減が必要だ:これは民主党がかつて言っていたが、2回の事業仕分けで削減できたムダは1兆円にも満たない。予算の中に、誰が見てもムダな歳出なんてそんなにあるはずがないのだ。議員歳費や公務員給与の削減も、やらないよりましだが、1000兆円に達する政府債務に対しては焼け石に水である。財政赤字の最大の原因は社会保障なのに、与野党ともそれにふれようとしない。 2)増税の前に景気回復が必要だ:これは民主党内の反対派が主張し、増税法案には「名目成長率3%、実質2%」という努力目標が書き込まれたが、ここ10

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    payato2 2012/04/14
  • グーグルタブレットはiPadより優れモノになる

    グーグルが自社ブランドのタブレットを売り出すという。いろいろな噂を総合すると、サイズは7インチ型。9.7インチのアップルよりもぐっと小型で、片手で持てるキンドル・ファイアと同じ大きさである。製造を請け負っているのは台湾のアスーステック・コンピューター(ASUS)。OSはもちろんアンドロイドで、WiFiモデルのみ。価格は今、249ドルを199ドルに引き下げる努力をしている最中とか。 グーグルが独自のハードウエア製品を作った例としては、2010年初頭に発売した「ネクサス・ワン」というアンドロイド・フォンがある。グーグルには得意分野と不得意分野というのがあって、ハードウエア製品を売るのはグーグルの代表的不得意分野のひとつだ。性能は優れているかもしれないが、機能の表現のしかた、実現の方法が上手でなく、何となくこなれていない。販売もオンラインだけで、触って試すことができず、親切なカスタマー・サービス

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    payato2 2012/04/11
  • 「我が家の文革ミニ歴史」ブーム

    先月下旬、新聞や雑誌を売るニューススタンドの前で足が止まった。そこに並んでいた政治、社会問題系の雑誌のカバーに軒並みと言っていいほど温家宝首相の写真が使われていたからだ。店先からその様子を眺め回しながら、温家宝の顔がこんなに並ぶのは久しくなかったなぁ、と感慨深かった。就任当初こそ農村改革だの、親民宰相だのと話題を振りまいて大人気だった温家宝という「人物」が、だんだんその話題も尻つぼみに終わることが増えてから、単独誌ならともかく、一度にこれだけの数の雑誌のカバーを飾ることはこの数年なかったように思う。 つまり、3月14日に行われた、全国政治協商会議と全国人民代表大会の二大政治大会閉幕後の彼の記者会見がそれだけ人々の心に残った、ということだろう。 もちろん、そのインパクトは同日の発言だけではない。それに続いて翌日早朝に重慶市で同市党委員会書記を務めていた薄熙来が「すでにこの職にない」と発表され

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    payato2 2012/04/11
  • それでも2020年に東京で五輪を開くべき理由

    今週のコラムニスト:李小牧 〔4月4日号掲載〕 「ソウキョウ構想」という言葉をご存じだろうか。漢方薬の名前みたいだが、ソウキョウは「双京」と書く。京都の行政や経済界、学者たちがまとめようとしている提言で、皇室機能の一部や文化庁、観光庁の京都移転がその目玉だ。 歌舞伎町で24年間生きてきた李小牧なら当然、人が減って東京が寂しくなることに反対するはず──読者の皆さんはそう思うかもしれない。「京」に「都」と名前に2つも都がある京都が、何も首都機能まで欲しがらなくてもいい気もするが、私は必ずしも反対しない。何より、国の人口の4分の1が東京とその近くに集中するリスクを減らすことができる。去年の福島原発事故の恐怖を思い出してほしい。 ただし、私がこの構想に賛成するのには条件がある。2020年の東京オリンピック実現だ。 東京五輪の招致活動に対して「日のような経済大国が『震災からの復興のため五輪を開きた

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    payato2 2012/04/09
  • 日銀への政治介入は「史上最大のギャンブル」

    5日の参議院会議で、日銀審議委員にBNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏を起用する政府案が野党の反対多数で否決され、政府は人事案を撤回した。かつて民主党が野党だった時代に総裁人事を相次いで否決して空席にしたが、今度は自民党いじめる側に回ったわけだ。 その理由として、自民党は「河野氏は日銀寄りの発言しかしていない」といい、民主党内でも「消費税の増税前に金融緩和で景気を上向かせないと政権がもたない」という意見が多いという。これは消費税の増税に「名目成長率3%、実質2%」という目標を入れたため、1%のインフレを実現しないと増税がむずかしくなると考えているのだろう。 しかし当に河野氏は「日銀寄り」なのだろうか。たとえば3月のブルームバーグの「日銀サーベイ」では、彼は「日経済が停滞しているのは構造問題が主な原因である。日銀が政策目標として『物価安定』が与えられている以上、これらの構

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    payato2 2012/04/06
  • アピール下手の東京は再び五輪に素通りされる

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔3月28日号掲載〕 日は間もなくオリンピックの金メダルを手にするかもしれない。種目は「招致失敗」。88年(名古屋)、08年(大阪)、16年(東京)の夏季大会の開催地に立候補して落選した日の代表として、東京が20年大会の招致失敗に向けて果敢に準備を進めている。 前回の招致活動では150億円(うち100億円は公金)が無に帰した。コカ・コーラの社が唯一の自慢というアトランタが96年大会に選ばれ、東京のように素晴らしい都市がいつも素通りされるのだから驚きだ。 アトランタにあって東京にないものは何か──政治的かつ国際的な招致戦略を熟知しているかどうか、だ。日オリンピック委員会(JOC)のホームページは、今この時期に世界を意識していないことを何より物語っている。日語版はカラフルで躍動的で情報満載だが、英語版は社交辞令で作ったにすぎない。 東京の招致関連

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    payato2 2012/04/02