10月25日、いよいよ注目の裁判が始まった。電磁鋼板の製造技術の不正取得を巡り、4月に新日本製鉄(10月1日付で住友金属工業と統合し、新日鉄住金)が韓国の鉄鋼最大手ポスコを訴えた裁判である。同製品の販売差し止めと1000億円の損害賠償を求めたもので、訴訟相手は、ポスコ、その日本法人であるポスコジャパン、そして技術を流出させたとされる新日鉄の元社員である。 今回の提訴は、変圧器などに使われる省エネ効率の優れた高性能鋼板である方向性電磁鋼板の製造技術の不正取得に対するもの。方向性電磁鋼板については、新日鉄は1990年代から製品を市場投入してきた世界トップメーカーであり、欧米の競合メーカーも技術が確立できず、新日鉄からライセンス供与を受けて製造してきた経緯がある。 その方向性電磁鋼板について、ポスコは新日鉄のライセンス供与を受けずに開発し市場に投入、シェアを急激に高めてきた。新日鉄側には、な