自転車ロードレースの最高峰「ツール・ド・フランス」。総走行距離約3500キロを3週間かけて競う世界最大のレースに出場することを夢見る新成人がいる。 市内本町出身の木下智裕さん。18歳で単身フランスに渡り、世界を相手に勝負している。渡仏後は、アマチュア2部のチームからスタート。実力が全ての厳しい環境に身を置きながら、ここで4勝し、昨年1部に昇格した。「日本人で一番早いペースで1部に上がった」と確かな手ごたえを感じている。 「プロの壁が見えてきた」という今、次の目標はもちろんその壁を乗り越えることだ。ツールの大舞台にまた一歩近づく。「不可能じゃない」。若きレーサーはそう断言する。 自転車飛ばした少年時代 小さい頃は特別足が速いというわけではなかった。運動会の徒競走も”普通だった”という。ただ、とにかく自転車には乗っていた。釣りが好きで、観音崎や三浦市内の釣り場まで「ぶっ飛ばして」出かけるほどだ