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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (241)

  • サイバーパンクのすべてが内包されているかのような傑作──『サイバーパンク2077』 - 基本読書

    【PS4】サイバーパンク2077 発売日: 2020/12/10メディア: Video Game『サイバーパンク2077』が発売された。もう何年待ったことか。幾度もの延期を繰り返し、ようやくマスターアップしたかと思いきやまさかのそこから再度の延期を繰り返し、と出る前から話題沸騰。そしていざ出てからも、バグがあまりに多すぎてドタバタの返金受付、PS Storeからの削除と悪い意味で話題がたえない。 めちゃくちゃな注目度 だがそれだけの話題が巻き起こるのも事前注目の高さ故。開発会社のCD PROJEKT REDのウィッチャーシリーズは世界累計販売数が5000万という異次元の売れ方をし、このサイバーパンクについても事前予約だけで800万の売上を誇る(デジタル74%、物理26%)。その期待はただごとではないし、ここまで世界のゲーマーが盛り上がる自体がこれから先あるのだろうかというレベルで盛り

    サイバーパンクのすべてが内包されているかのような傑作──『サイバーパンク2077』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/12/22
    やってみたいけどこういうのにゲーミングパソコンが必要なのかー
  • 2020年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書

    2020年ももうすぐ終わるので、読んでおもしろかったノンフィクションを振り返っていこうかと。今年はまるっとの雑誌でノンフィクションの新刊ガイドを担当しており、例年よりもたくさん読んだような、あまり変わらないような。とはいえ、おもしろいノンフィクションには山ほど出会ったので、思い出しながら書いていく。 まずは科学系から! LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界 作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント発売日: 2020/09/01メディア: Kindle版科学系のノンフィクションの中で最もおもしろかったのはなにかといえば、デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラントによる『LIFESPAN 老いなき世界』になる。シンクレアは老化の原因と若返りの方法に関する世界的な権威で、老化は克服できる病であり、克服すべきだ、とこのの中で強烈に主張している。ほとんどすべての

    2020年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/12/17
  • 韓国の注目作家が紡ぐ、科学的でエモーショナルな絶品SF短篇集──『わたしたちが光の速さで進めないなら』 - 基本読書

    わたしたちが光の速さで進めないなら 作者:キム・チョヨプ発売日: 2020/12/03メディア: 単行(ソフトカバー)2020年は10年の区切りということもあって素晴らしいSF短篇アンソロジーが多数刊行され、SF短篇集も豊作だったのだけどここにきてまた凄いSF短篇集が刊行された。韓国の作家キム・チョヨプによる『わたしたちが光の速さで進めないなら』だ。 1993年生まれで書(原書は2019年刊行)がデビュー作とバリバリの新人なのだけれども、技術的には円熟の域だ。ファースト・コンタクトあり、言語SFあり、コールドスリープ、マインドアップロードあり、テクノロジーによって変容していく人間の姿や社会を描き出していくサイバーパンク的な要素も各作品に共通していて──と、SFでは定番のネタを毎回「こう演出するのか〜!!」と驚かせてくれた。 毎回読後には現代の物語、感覚だな……と納得させてもくれ、凄い凄

    韓国の注目作家が紡ぐ、科学的でエモーショナルな絶品SF短篇集──『わたしたちが光の速さで進めないなら』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/12/16
  • 「折りたたみ北京」の郝景芳による、中国から見た1984年──『1984年に生まれて』 - 基本読書

    1984年に生まれて 作者:郝景芳発売日: 2020/11/24メディア: Kindle版この『1984年に生まれて』は、郝景芳によって書かれた、中国の1984年前後から00年代頃までの情景が描かれていく長篇小説である。郝景芳はヒューゴー賞を受賞した「折りたたみ北京」をはじめとし、日でも単独短篇集である『郝景芳短篇集』が白水社から刊行、この長篇も刊行され、と世界的に人気の高い中国作家の一人だ。 で、書は実際に1984年に生まれの著者による「自伝体小説」である。自伝体小説とは、あったことをそのまま自伝として描くわけではなく、その時代、その年齢であった時に感じたことや経験を別の外面的イベントに乗せ、フィクションとして描いていくもののこと。著者のあとがきによると次のような部分に注目した小説だ『物事のディティールは服の上に身につける帽子や帯にすぎず、その事柄に対してどう感じるかということこそが

    「折りたたみ北京」の郝景芳による、中国から見た1984年──『1984年に生まれて』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/11/30
  • ゼロ年代の海外SFの様相がわかる、危なげなく傑作揃いのアンソロジー──『2000年代海外SF傑作選』 - 基本読書

    2000年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF) 作者:エレン クレイジャズ,ハンヌ ライアニエミ,ダリル グレゴリイ,劉 慈欣,コリイ ドクトロウ,チャールズ ストロス,N・K ジェミシン,グレッグ イーガン,アレステア レナルズ発売日: 2020/11/19メディア: 文庫この『2000年代海外SF傑作選』は、文字通り2000年代に発表された海外SFの中から傑作を一冊にまとめたアンソロジーである。2000年? 今は2020年ですけど? と思うかもしれないが、海外SF傑作選は実は18年前の山岸真篇『90年代SF傑作選』以来で、00年代には出ていなかったのだ。それを橋輝幸が引き継ぎ、『2010年代海外SF傑作選』とセットで(後者は来月)刊行されることになったのである。 これまで刊行されてきた80年代、90年代海外SF傑作選はどちらも上・下巻だったのだが、今回は単巻。そのため、収録短篇数的

    ゼロ年代の海外SFの様相がわかる、危なげなく傑作揃いのアンソロジー──『2000年代海外SF傑作選』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/11/20
  • 政府に頼らず、社会から隔絶したモルモン教原理主義者の世界観から、いかにして抜け出したのか──『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』 - 基本読書

    エデュケーション 大学は私の人生を変えた 作者:タラ ウェストーバー発売日: 2020/11/17メディア: 単行(ソフトカバー)この『エデュケーション』(原題:Educated A Memoir)は、モルモン教原理主義者で、政府や病院といった公的な機関に一切頼らない父と母に育てられた一人の少女が、いかにして出生届を取得し(出生届すら出してなかったのだ)、大学に行き、自分がそれまで暮らしてきた世界と決別するのかを描き出していく、回想録である。 このアメリカで400万部だとか、ゲイツやオバマ絶賛、さらに邦でもゲラ段階で各所の絶賛を浴びていて、とにかく凄まじいらしいのはわかっていた。ただ、「大学は私の人生を変えた」と言われても、大学が人生を変えるのは当たり前だとしか思わず、いったい女の人が大学に行った話の何がそんなに凄いんだろう? 凄くなりようがなくない? と訝しみながら手にとったん

    政府に頼らず、社会から隔絶したモルモン教原理主義者の世界観から、いかにして抜け出したのか──『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/11/19
  • 空間認知の心理学・神経科学的基盤から、漫画の中の空間論まで──『Mind in Motion:身体動作と空間が思考をつくる』 - 基本読書

    Mind in Motion:身体動作と空間が思考をつくる 作者:バーバラ・トヴェルスキー森北出版Amazon意識、思考といったものは、我々の頭の中だけで作られるものではなく、空間と身体動作と意識の相互作用・統合によって形作られていくものである。たとえば、極端なことをいえば人間の赤ん坊は自分の手や足といった体が自分のものであることを理解していない。手を自分で、意識的に動かしているとは気づいていない。 親が指を近づけると、最初赤ん坊は握るが、それは反射的なものであって、見えなくなると追いかけない。だが、次第に手と意識が統合されていき、離れていく指やガラガラを自分の意志で追えるようになる。そのあたりは地味で基的な部分だけれども、「身体動作」と「空間」と「思考」の関係は広い領域に広がっている。 たとえば、我々は地元であれば大抵、道端で駅はどこだとか市役所はどこだとか聞かれれば、その場を起点にし

    空間認知の心理学・神経科学的基盤から、漫画の中の空間論まで──『Mind in Motion:身体動作と空間が思考をつくる』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/11/12
  • キャメロンがスピルバーグ、ノーラン、リドリー・スコットらに聞く!──『SF映画術 ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座』 - 基本読書

    SF映画術 ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座 作者:ジェームズ・キャメロン発売日: 2020/09/30メディア: Kindle版この『SF映画術』は、『ターミネーター』や『アバター』など数々のSF映画をとってきたジェームズ・キャメロンが、「なぜ、今SFが重要なのか」と、現代、過去にSF映画を撮ってきた巨匠たちに問いかけるSF映画インタビューである。 SF創作講座とか、映画術とか、なんか「これを読めばSF映画の撮り方がわかる」みたいな書名になっているが、基的にはキャメロンが巨匠らにどんな映画小説に影響を受けてきたのか、また巨匠らがどのような思惑でこれまでのSF映画をとってきたのかを掘り下げ行く内容で、特に「術」とか「方法論」っぽいものがメインで語られているわけではない。まあ、参考にならないということもないのだろうけど。 しかし、取り上げられて

    キャメロンがスピルバーグ、ノーラン、リドリー・スコットらに聞く!──『SF映画術 ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語るサイエンス・フィクション創作講座』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/10/24
    面白そう
  • イスラエルのSFを集めた、恐ろしく質の高い傑作アンソロジー──『シオンズ・フィクション』 - 基本読書

    シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選 (竹書房文庫) 発売日: 2020/09/30メディア: 文庫この『シオンズ・フィクション』は、イスラエルSFの傑作16篇を集めたアンソロジーである。訳者の一人である山岸真さんがの雑誌などで凄い凄いと書いていたので期待していたのだけれども、読み始めてみれば、たしかに恐ろしく質が高い作品が揃っている。それも、イスラエルの文化歴史を反映させた、あまり味わったことのない発想や表現が出てくるので、4篇ほど読んだところでイスラエルにこんなスゲーSFの書き手が存在していたとは……と幽遊白書の魔界トーナメントの気分を味わった。 しかし、それも不思議なことではないのかもしれない。編者二人による巻末に置かれた「イスラエルSF歴史」は、『イスラエルという国家は、質的にサイエンス・フィクション(SF)の国とみなしてもかまわない──地球上でただひとつ、一冊では

    イスラエルのSFを集めた、恐ろしく質の高い傑作アンソロジー──『シオンズ・フィクション』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/10/08
  • 人類の英知がこの一冊に詰まった文明速攻再始動マニュアル──『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』 - 基本読書

    ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド 作者:ライアン ノース発売日: 2020/09/17メディア: Kindle版この『ゼロから作る科学文明』は、もしもあなたがタイムトラベラーではるかな未来から過去の世界に飛んでしまい、さらに戻る手段がなくなったとしたらどうやって文明を再興するのか──について書かれた一冊である。 実はこれと同じ発想のが5年前に邦でも翻訳で刊行されている。それは『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』というで、最初書(ゼロから〜の方)の書名と内容をみたとき、あまりにも『この世界が〜』とかぶっていそうだったんで、「色んな意味で大丈夫なのかな?」とビクビクしながら読み始めたんだけど、きっちりこの世界が〜の著者ルイス・ダートネルからの推薦コメントも存在しているし、何よりの最初の前提の置き方がこの二冊では異なっているので、書かれている

    人類の英知がこの一冊に詰まった文明速攻再始動マニュアル──『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/09/20
  • 老化は治療可能な病気である──『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』 - 基本読書

    LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界 作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント発売日: 2020/09/16メディア: 単行この『LIFESPAN』は、老化の原因と若返りに関する研究者/長寿研究の世界的権威であり、同分野で50件に及ぶ特許を取得し10以上のバイオテクノロジー関連の企業の立ち上げに関わっている実業家でもあるデビッド・A・シンクレアによる、老化研究の最前線について書かれた科学ノンフィクションだ。老化はほとんどすべての病気の起因となるにも関わらず、人が老いるのは仕方がないことと諦められてきた。 だが、老化の原因に関する研究が進むにつれて、老化を遅らせ、最終的には老化を完全に止めることができるのではないか、という道筋が立ち上がってきた。著者は、人間の老化のメカニズムを解き明かし、その仕組み上、老化は治療可能な病であると宣言してみせる。今の先進国で長生き

    老化は治療可能な病気である──『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』 - 基本読書
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    peketamin 2020/09/16
  • 自然界に存在する準結晶を求めた、科学者の大冒険──『「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』 - 基本読書

    「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ 作者:ポール・J・スタインハート発売日: 2020/09/03メディア: 単行2011年のノーベル化学賞を受賞したのは準結晶の発見をしたシェヒトマン博士だった。「準結晶」とは、説明が難しいのだけど、純粋な結晶ともランダムな構造を持つ非晶質とも異なる、(準結晶の発見以前からすると)新しい結晶の構造のことである。それまでの結晶学の常識では、どの鉱物を調べても、基的な構成要素は四面体か、三角柱か、平行六面体のいずれかであり、それ以外はありえないと思われていた。 たとえば、単純化して考えると、三角形、長方形、平行四辺形、正方形、六角形のタイルは平面に隙間なくタイルを敷き詰めることができる。だが、正五角形は隙間なくタイルに敷き詰めることはできない。三次元の結晶は二次元タイルよりも複雑になるれども、科学者は三角形、長

    自然界に存在する準結晶を求めた、科学者の大冒険──『「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』 - 基本読書
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    peketamin 2020/09/11
  • あり得たかもしれない宇宙開発史を描き出す、主要SF賞総なめの話題作──『宇宙へ』 - 基本読書

    宇宙【そら】へ 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:メアリ ロビネット コワル発売日: 2020/08/20メディア: Kindle版宇宙【そら】へ 下 (ハヤカワ文庫SF) 作者:メアリ ロビネット コワル発売日: 2020/08/20メディア: Kindle版この『宇宙(そら)へ』は、メアリ・ロビネット・コワルによる、1950年代の女性の計算者&パイロットの物語を描き出す、宇宙開発系のSFである。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞というアメリカの主要SF関連賞を総なめにした、SFにおける今年最大の話題作のひとつ。僕はそもそも、SFとしては現実的な科学に根ざして宇宙を舞台に展開する物語、宇宙開発系と言われるサブジャンル全般が特に好きだから、作にも大いに期待していたんだけど──いやーこれはおもしろかった! 主な舞台となっているのは先に書いたように1950年代のアメリカだが、この世界は我々の

    あり得たかもしれない宇宙開発史を描き出す、主要SF賞総なめの話題作──『宇宙へ』 - 基本読書
    peketamin
    peketamin 2020/08/21
  • 基礎科学の重要性──『「役に立たない」科学が役に立つ』 - 基本読書

    「役に立たない」科学が役に立つ 作者:エイブラハム・フレクスナー,ロベルト・ダイクラーフ発売日: 2020/07/29メディア: 単行この『「役に立たない」科学が役に立つ』はプリンストン高等研究所のエイブラハム・フレクスナー(1866-1959)、ロベルト・ダイクラーフ(1960-)の二人のエッセイを収録した一冊である。100ページ程度の薄いで、その約半分ほどはフレクスナーによる1930年代に発表された文章を元にしているので、半分古典といえる。 しかし、ここで語られていることはそうそう古びるものではない。短い内容なので簡単に要約してしまうが、それは「基礎研究は重要だよ」ということである。応用研究は成果が見えやすいので、そうした方向に力を入れたくなる気持ちもわかるが、かといって歴史を変えた科学の多くは最初はなんの役に立つのかさっぱりわからない純粋な好奇心の追求からはじまっているのであって

    基礎科学の重要性──『「役に立たない」科学が役に立つ』 - 基本読書
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    peketamin 2020/08/14
  • なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書

    ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 作者:デヴィッド・グレーバー発売日: 2020/07/30メディア: 単行この『ブルシット・ジョブ』は、文化人類学者であるデヴィッド・グレーバーによる「クソどうでもいい仕事」についての理論である。「クソどうでもいい仕事」とはなにかといえば、文字通りとしかいいようがないのだけれども、「その仕事に従事している人がいなくなっても誰も何も困らないような無意味な仕事」のことである。 原書で刊行された時から日でも大変に話題になっていた一冊で、楽しみに読み始めたのだけど、これがとにかくおもしろい! 確かに世の中にはブルシット・ジョブとしか言いようがないくだらない仕事が溢れているように見える。それがどれほどありふれているのか、またどのようなタイプのブルシット・ジョブが存在するのか。また、仮にこれが近年さらに増大を続けているとしたら、それはなぜなのか。そ

    なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書
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    peketamin 2020/08/10
  • 言語発明&形成の進化史──『言語の起源 人類の最も偉大な発明』 - 基本読書

    言語の起源 人類の最も偉大な発明 作者:ダニエル・L・エヴェレット発売日: 2020/07/17メディア: 単行言語はいつ生まれたのか。この問いに何万何千年前のある瞬間──というわかりやすい答えが現状あるわけではない。そのうえ、音声がどのような形であれ残っているはずもないから、遺跡や痕跡からその地点を確定させることも難しい。いまだに、人類史のどのタイミングで言語が生まれたのか、そこではどのような言語を使ったのか、様々な説があり、確かにこうだ! といえることは多くはない。 ただ、人体の構造や残された文明の痕跡、石器などから、ある程度の推測をすることができる。書は、特殊な言語を持つ少数部族である「ピダハン」への研究を行った成果をまとめた『ピダハン―― 「言語能」を超える文化と世界観』(みすず書房)で日でも名が(一部で)知られるようになった、ダニエル・L・エヴェレットによる、「人間がいか

    言語発明&形成の進化史──『言語の起源 人類の最も偉大な発明』 - 基本読書
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    peketamin 2020/08/09
  • 2019年の傑作日本SF短篇がこの一冊に! 竹書房から新生した《ベスト日本SF》シリーズ──『ベストSF2020』 - 基本読書

    べストSF2020 (竹書房文庫) 発売日: 2020/07/30メディア: 文庫12年に渡って日SF短篇の中から傑作をよりすぐって編集されてきた東京創元社版の年間日SF傑作選が昨年終了してしまった。だが、その後を引き継ぐのがこの『ベストSF2020』! 刊行は東京創元社でもなければ早川書房でもなく、近年積極的にSFを刊行しはじめ、SF界隈で大きな存在感を持つに至った竹書房である。 日下三蔵&大森望タッグで編集されていた創元版の傑作選だが、この竹書房版は大森氏一人選者となっている。今回は選者が一人になったこともあって、初心に戻って「一年間のベスト短編を十前後選ぶ」という方針に立ち戻っていて、これは個人的には良いことであると思う。アンソロジー、それも傑作選を編む時にあれも入れたいこれも入れたいという思いから長くなるのは当然である。だが、分厚けりゃ分厚いほどに読む側としてはうんざりさせら

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    peketamin
    peketamin 2020/08/06
  • 意識せずとも必要な情報を伝えてくれる穏やかなデザインへ──『カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン』 - 基本読書

    カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン 作者:アンバー・ケース(Amber Case)発売日: 2020/07/14メディア: 単行現在、生活していく上で身の回りには欠かせない電子機器・パソコン・スマホアプリケーションで溢れている。web会議をするためにはDiscord、zoomといったツールが、チャットツールとしてはSlackがあり、パソコン外の家にも大量の電子機器が存在している。さらには、洗濯機や冷蔵庫、時計に掃除機などあらゆるものがインターネットに繋がって、そのすべてが我々に何らかの情報を伝えたがっている。 数が多いので、我々はそのすべてを注視しているわけにはいかない。そいつらが何かを知らせたい時に全員がピーヒャラピーヒャラ大きな音を立てたらこちらもブチ切れざるを得ないだろう。機械には限界がないかもしれないが、人間の注意力には限界があるからだ。では、どうすればいいの

    意識せずとも必要な情報を伝えてくれる穏やかなデザインへ──『カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン』 - 基本読書
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    peketamin 2020/08/02
  • 様々な宇宙の形、時空の形を知ることができる格好の時間入門──『時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて』 - 基本読書

    時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて (ブルーバックス) 作者:高水裕一発売日: 2020/07/20メディア: Kindle版時間は逆戻りするのか。普通に生きていると時間は一定の方角に向かって流れていくので逆戻りなどするような感じはしないが、実は物理法則上は時間が逆戻りする可能性は存在する。昨年日でも『時間は存在しない』で話題をかっさらったループ量子重力理論の提唱者カルロ・ロヴェッリは「そもそもね、時間なんて存在しないよ」といったり、同2019年には、量子コンピュータを用いた実験でロシアアメリカ・スイスの共同チームが「時間が逆転する現象」をとらえることに成功した。 www.nature.com 少なくともミクロの世界では時間逆転が認められるのである。じゃあ、我々は過去に戻ることができるんですか!? といえば、そう簡単でわかりやすい話ではない。そんな感じで、時間にまつ

    様々な宇宙の形、時空の形を知ることができる格好の時間入門──『時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて』 - 基本読書
  • 史上もっとも偉大な科学予測の試みとクラークに評された、科学と人類の未来について論じた先駆的名著──『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』 - 基本読書

    宇宙・肉体・悪魔【新版】――理性的精神の敵について 作者:J・D・バナール発売日: 2020/07/17メディア: 単行この『『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』』は、X線結晶構造解析のパイオニアであり分子生物学の礎を築いたと言われるJ・D・バナールによる、1929年に刊行された人類の未来について書かれた一冊である。原著が100年近く前であり、過去にみすずで刊行されたのも1972年と、言ってしまえば非常に古臭いである。 僕も今回みすずから新版が出るということではじめて読んだのだけれども、いやはやこれには心底驚かされた。バナールが書で論じたのは、今の我々が暮らす時代よりもさらに先、科学がさらに発展した状況のことであり、人間が身体を機械化し場合によっては宇宙に植民地を広げていくような時にいったい人類にいったい何が起こるのか、という未来のことなのである。そして、その論、そのヴィジ

    史上もっとも偉大な科学予測の試みとクラークに評された、科学と人類の未来について論じた先駆的名著──『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』 - 基本読書