世界のエアライン ガイド:秋本 俊二 綿密な取材と最新データを元にお届けする、プロの目から見たエアライン・ワールド。 取材依頼 問合せ 航空機には従来、ターボジェットやターボファンエンジンが推進システムとして用いられてきました。いずれもコンプレッサーで圧縮した空気に燃料を噴射し、点火する仕組みです。しかし飛行速度が音速(マッハ)の3倍以上にまで上がれば、わざわざコンプレッサーを使う必要はなく、前方からの気流を受け止めるだけで十分に圧縮された空気を得ることができます。走行中の車の窓から顔を出すと、スピードが速いほど顔に受ける風圧が強いでしょう。あの力を利用したのが、ラムジェットと呼ばれるジェットエンジンです。 ラムジェットでは、ファンを使わず、エンジンの空気取り入れ口を少しずつ狭めることで十分圧縮された空気をつくることができます。このとき、空気取り入れ口を通過した気流はマッハ1以下(