高齢化が進む農業従事者向けに、体に装着して作業負担を軽くする「パワーアシストスーツ」を開発している東京農工大の遠山茂樹研究室が16日、山梨県甲州市のブドウ畑で実際にスーツの効果を確かめる実験を公開した。 スーツは主要部分がアルミ製で、重さ約12キロ。下半身に装着して膝を曲げると、膝下部分に組み込んだバネが反発し、脚や腰を支える。実験ではスーツを着けた人が顔の高さのブドウ棚で、腕を伸ばして枝を切る作業をした。スーツのない場合と比べ、エネルギー消費量が約50%になる。 協力したブドウ農家坂本浩二さん(43)は「ちょっと重たいが、腰をかがめるときに脚の負担が軽くなる。イスに座っているようだ」と話した。 研究室は軽量化を進めて来年春には試験販売する予定で、価格は50万円前後になる見込み。