休憩を挟んで計40秒のスプリント(全力運動)を実施すると、酸素の消費量や太ももの筋肉の活動が大きく増加することを早稲田大などの研究チームが明らかにした。研究結果は米スポーツ医学会誌で発表された。世界保健機関(WHO)は週150分以上の有酸素運動などを推奨しているが、多忙な現代人の間で「タイパ」(タイムパフォーマンス、時間対効果)を意識した運動は注目を集める可能性がある。 近年、休憩を挟んで短時間の全力運動を繰り返すことの効果を確かめる研究が盛んに行われている。研究チームは今回、メカニズムを詳しく調べようと、自転車型の装置を使って運動効果を測定した。
インフレによるダメージが最も大きい年代は年金生活者だが、消費を最も活発化させているのも年金生活者だった--。三井住友信託銀行が世代や年収ごとの消費傾向を踏まえ、インフレダメージの大小と消費支出の変化を分析したところ、意外な結果が出た。同行は「悲壮感漂う年金生活というわけではなさそう」とみている。 インフレ発生前の2020年と足元の23年(1~10月)を比べると、消費者物価指数(CPI)は5・3%上昇した。しかし、これはいわば「平均値」。物価の上昇は品目によってバラツキがあり、単身か2人以上かといった世帯の形態や世代、年収によっても、家計が受ける実際のインフレダメージは異なる。 そこで、世代別の消費傾向を加味して仮想的にCPIの上昇率を算出したところ、20代以下の4・5%増に続いて、30代は5・3%増▽40代5・2%増▽50代5・3%増▽60代以上6・2%増▽年金生活者は6・9%増――となり
東京都は25日、初めて実施した痴漢被害に関する大規模な実態調査の結果を公表した。女性の4割以上、男性の約1割が痴漢に遭ったことがあると回答した。 8月、民間の調査会社に委託して調べた。都内の在住者や通勤・通学者に対して年齢や性別、居住地の割合が実態に近づくよう考慮した上でインターネット上で回答を集めた。 有効な回答があった8284人のうち、これまでに痴漢に遭ったことがある16~69歳は2475人で、29・9%に上った。性別で見ると、回答した女性4750人のうち45・4%(2156人)、男性3474人のうち8・6%(298人)が被害を受けていた。直近の被害場所は、電車内が81・2%で最も多く、路上7・9%▽駅構内4・9%▽商業施設・店舗2・7%――が続いた。
「内外の金融経済情勢について思うこと」と題して講演する元日銀総裁の白川方明さん=北九州市小倉北区のリーガロイヤルホテル小倉で2023年11月8日、上入来尚撮影 元日本銀行総裁で北九州市出身の白川方明(まさあき)さん(74)が8日、同市小倉北区で開かれた第60回「毎日・北九州フォーラム」(北九州地域懇話会、毎日新聞社主催)で「内外の金融経済情勢について思うこと」と題して講演し、人口減少などの問題を抱える日本の将来と解決への展望を語った。【石田宗久】 悲観的材料に事欠かない 小倉の生まれで、先ほども高校時代の同級生と昼食を一緒にしたが、故郷に帰ると本当にいいなあと深く思う。 内外の金融経済情勢について思うことを話したい。まず日本経済の現実だが、非常に悲観的な材料には事欠かない。まず成長率が低迷している。工場や機械施設、労働が目いっぱいに稼働した時にどれぐらい経済が成長するかの潜在成長率は、日本
パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘で、イスラエルのネタニヤフ首相が28日、戦いが「第2段階に入った」と述べた。今後、イスラエルの戦略はどう変わるのか。またイスラエルを一貫して支持してきた米国はどう出るのだろうか。 イスラエルを「完全支持」してきたが… パレスチナ自治区ガザ地区への激しい空爆で国際社会のイスラエルに対する反感が強まり、バイデン米政権はイスラエルの「完全支持」から態度を後退させている。イスラム組織ハマスを壊滅させるためにイスラエルが地上侵攻に踏み切るのはやむなしとの考えだが、民間人の犠牲が続けば米国も強い批判にさらされるのは必至で、苦しい立場に追い込まれている。 バイデン政権は「ハマスはイスラエルを破壊し、ユダヤ人の殺害を存在目的とするテロ組織だ」と強く非難してきた。そのため「イスラエルには、自衛のためにできることは何でもする権利と義務がある
近畿大は26日、ニホンウナギの完全養殖に成功したと発表した。完全養殖は、卵から育てたウナギの卵と精子を使って2世代目を人工ふ化させる技術で、水産研究・教育機構(旧水産総合研究センター)が2010年に世界で初めて成功させた。大学では初の成果という。 近大によると、和歌山県那智勝浦町にある水産研究所の実験場で7月5日、養殖した親ウナギから受精卵を採取し、同6日にふ化に成功。8月3、24日にもふ化を確認した。今月18日時点で計約600匹の仔魚(しぎょ)(赤ちゃん)が育っているという。 近大はこれまでクロマグロやマダイなどの養殖技術開発に取り組んできた。東京都内で記者会見した升間主計・水産研究所長は「仔魚を育てる独自技術の開発にもトライし、養殖技術全体のレベルアップに貢献したい」と語った。
バイデン米大統領がイスラエル訪問を終えた。イスラエルとパレスチナ双方に寄り添う姿勢を演出しようとしたが、パレスチナ自治区ガザ地区で起きた病院の爆発でアラブ諸国の怒りが渦巻き、イスラエル全面支持の姿勢はトーンダウン。ガザ地区への人道支援も限定的なものにとどまり、思惑は外れた形だ。 ガザ病院爆発、米に批判の矛先向く恐れ 「激情にのみ込まれてはならない」。バイデン氏は、イスラエルのネタニヤフ首相との会談後、テルアビブで単独で演説した。ネタニヤフ氏と横に並んで両国の結束をアピールする共同記者会見は開かなかった。 演説では、イスラエルに対し、イスラム組織ハマスが支配するガザ地区への攻撃で冷静さを求める言葉が並んだ。「戦時中の決断は容易ではない」「それで目標を達成できるのか、素直に評価しなくてはならない」 当初は米同時多発テロを引き合いにイスラエルの「自衛権」の行使を擁護していたバイデン氏。だが、この
人間の心理と認識の偏りやクセ(認知バイアス)を操作する認知戦。その近未来はどういうものだろうか。米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA、ダーパ)のプログラムを統括した米シンクタンク「ランド研究所」の元副最高技術責任者のランド・ウォルツマン博士に聞いた。 「孤独な脳、モノへの依存、共感能力の闇、社会情動スキル――脳神経科学者が解き明かす脳とナラティブの驚くべき関係」は9月8日午前7時に公開します。 「次世代の人心操作、影響工作はバーチャルリアリティー(VR)のような没入型環境で起きる」 VRゴーグルはめがねのような装置で、仮想空間を見せ、その世界に「没入」させて疑似体験を味わわせる。 すでに心理セラピーなどさまざまな現場で使われている。高所恐怖症の人に、あえて高い所にいる状態を疑似体験してもらい、恐怖心を喚起しつつ徐々に慣らすことで、症状が軽減することもある。 だが「誰かの恐怖心を(VR
漫画雑誌「週刊少女フレンド」に掲載されていた里中満智子氏の代表作「アリエスの乙女たち」の一場面。里中氏は性愛の場面を悩みながら描いたという=仙台市で2023年7月4日午後6時3分、小川祐希撮影 有害図書規制が各地で制定され始めた1950年代、漫画は「悪書」としてバッシングされた。子供だった当時から漫画を愛し、その後プロになった作家は、規制とどう向き合ってきたのだろう。64年に高校生でデビュー後、性愛表現のある少女向け作品で人気を博したマンガ家・里中満智子さんに聞いた。 「有害図書」規制のあり方を有識者に聞く連載は、以下のラインアップです。 ▽漫画のエロ・グロ表現で犯罪が起こる? 「はじめの一歩」作者の憂い ▽“寸止め”パンチでボクシング描けない 有害図書規制と表現の萎縮 ▽「表現の自由のため」じゃない 漫画家が有害図書規制と闘うワケ ▽科学的根拠ない「萌え広告」規制はダメ 議員になった漫画
被爆電車の車内で説明を聞く海外からの観光客たち=広島市内で2023年5月31日午後3時42分、武市智菜実撮影 広島電鉄の被爆電車653号車に乗り、車窓の風景や被爆当時の写真、仮想現実(VR)の映像を通じて「あの日」の光景に思いをはせるツアーが、外国人観光客らを対象に試験実施された。企画した旅行会社「たびまちゲート広島」(中区)は、8月と10月に本格実施する予定。【武市智菜実】 5月末、仏や英国、フィリピンからの観光客ら8人が参加した。653号車は1945年8月6日に江波(中区)付近で被爆。修理して同年12月には運行を再開した。 車内では焼け野原となった広島の映像が映し出され、参加者は復興を遂げた現在の風景と見比べながら市内を巡った。被爆2世の女性が案内役で同乗し、大勢の負傷者や避難者が通った猿猴橋や荒神橋、鶴見橋などを紹介した。御幸橋に差し掛かると、車内の画面に原爆投下当日に撮影された応急
文化庁は、各都道府県の担当者を集めて「不活動宗教法人」への対策を促した=東京都千代田区で2023年4月26日、国本愛撮影 節税の一つとして宗教法人を取得することをお考えください――。本来、営利を目的としないはずの宗教法人が、インターネット上では「税制優遇」をうたい文句に、公然と売り買いされている。脱法的な売買が横行してしまう背景には、宗教法人に行政の目が行き届いていない実態がある。 ネット上では、宗教法人の売買を呼びかける仲介サイトがいくつもある。「歴史あるお寺(宗教法人)譲ります」。個人間で不用品を売買できる情報サイトには1億2000万円で中部と関西地方にある二つの寺が売りに出されていた。 「立派な本堂あり」「大きな土地有り」との説明書きもあった。出品者は「お寺の経営改善などのコンサルを行っています」とするが、取材を依頼すると「応じかねる」と拒否した。 宗教法人は、境内には固定資産税が課
米バイデン政権で気候変動問題担当の大統領特使を務めるジョン・ケリー元国務長官=東京都港区で2023年4月18日、和田大典撮影 米バイデン政権で気候変動問題担当の大統領特使を務めるジョン・ケリー元国務長官が18日、東京都内で毎日新聞のインタビューに応じた。日本が温室効果ガス排出削減の主軸の一つに据える火力発電のアンモニア混焼技術について、長期的な脱炭素への移行を遅らせるなど「重大な課題をもたらす可能性がある」として懸念を示した。また、対立が続く中国との関係を巡り、気候変動分野では「できる限り協力する必要がある」と述べ、中国側の招待を受けて訪中する意向があると明かした。 ケリー氏は、自身も出席した16日の主要7カ国(G7)の気候・エネルギー・環境相会合で、二酸化炭素(CO2)の排出削減への対策が取られていない化石燃料の「段階的廃止」を盛り込んだ共同声明を「大きな一歩」だと自賛した。 また、電力
スマートフォン決済アプリのPayPay(ペイペイ)が、給与をデジタルマネーで支払う「デジタル給与」事業に参入する方針を固めたことが27日、分かった。政府が2023年度に解禁するのに合わせ、4月上旬にも厚生労働相の指定を申請する。キャッシュレス化が進展する中、アプリの使い勝手を良くすることで利用客の…
月刊誌「クラークスワールド・マガジン」のホームページ。ヒューゴー賞など有名なSF文学賞の受賞者を多数、輩出している 米国のSF・ファンタジー月刊誌が投稿の受け付けを一時、停止した。原因は人工知能(AI)が書いた小説の激増だ。編集長は、こう警告する。「誰も勝つことができないモグラたたきのゲームが始まってしまった」【國枝すみれ】 「世界中の出版社に注意喚起したい」 月刊誌「クラークスワールド・マガジン」は2006年創刊。一般投稿から選ばれた優れたSF短編作品などを掲載する。この中からヒューゴー賞など有名なSF文学賞受賞者を何人も輩出してきた。 編集長で発行人のニール・クラーク氏(56)が「世界中の出版社に注意喚起したい」と、米国からオンライン取材に応じてくれた。開口一番、こう切り出した。 「言わば迷惑(スパム)投稿です。迷惑メールに対応するように、スパムフィルターを作るしかないと考えています」
VRゴーグルに映し出されている映像。ゴーグルは幻肢痛のリハビリに使われる=東京都文京区で2023年3月7日、宮本明登撮影 東京都文京区にある雑居ビルの一室。アトリエのような部屋では、右肩から先の腕を失った男性が頭にVR(バーチャルリアリティー)ゴーグルを被り、椅子に座っていた。男性の目の前には、赤外線が出る装置が置かれている。 「なるべくゆっくりやりましょう」。指導者から声を掛けられると、男性は頭の中でイメージを始めた。両腕を前に伸ばして手のひらを上に向けてねじったり、両手でボールをすくって穴に入れたり……。それに合わせ、実際の左腕もイメージ通りに動かしていく。 この時、男性が見ていたゴーグルの画面には仮想空間の世界が広がっており、両腕のある男性の分身がイメージと同じ動作をしていた。現実世界の男性の動きを赤外線が感知して、仮想空間の分身に反映させる仕組みになっている。 これは「幻肢痛(げん
スイス金融最大手UBSによる同業クレディ・スイスの買収・合併について記者会見する(右から順に)スイス国立銀行のジョルダン総裁、スイスのベルセ大統領、ケラーズッター財務相、UBSのケレハー会長=スイス・ベルンで3月19日、ロイター スイスの金融最大手UBSが、経営危機に陥っていた同大手クレディ・スイスを買収することを決めた。米銀破綻をきっかけとした信用不安が巨大金融機関同士の合併に発展した形で、交渉は2日あまりで決着するという異例の展開。信用不安の発端となった米国でも当局が特例措置を繰り出しており、各国は金融不安の抑え込みに追われている。 「国際的に重要な銀行」の危機 信用不安が拡大したクレディ・スイスを、同じくスイス最大手の銀行UBSが買収することが決まった。わずか2日で決着した巨大金融機関同士の合併。その背景には、世界的な金融危機への懸念があった。 「クレディ・スイスが破綻すれば、スイス
ワクチン接種の問い合わせに対応するため、コールセンターに医療従事者を配置するよう定めた大阪府枚方市の業務委託仕様書(案)=大阪市北区で2023年2月18日、山崎一輝撮影 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、三つの自治体からコールセンター業務を受託した人材派遣大手「パソナ」(東京都)が必要なオペレーター数を確保せず、約10億8000万円分を過大請求していた問題が波紋を広げている。 取材を進めると、コールセンターに常駐する医療従事者も契約期間の3割超で不足していたことや、自治体側が知らない場所でオペレーターが勤務していたことも判明。情報管理のずさんな実態が次々に浮かんできた。 再委託先が虚偽報告 「民間で真面目に働くより、公金をチューチューする仕事のほうが楽に儲(もう)かる時代ですよね。たまたまバレただけで、バレてない公金吸い取りスキームが日本中にあるんだろうなぁ」 今月11日、インターネ
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