アーティスト・近藤銀河と哲学者・西條玲奈、そしてメディア研究者・清水知子による鼎談をお届けする。3人の対話は草薙素子の不安定なアイデンティティをめぐって始まり、人工知能(以下、AI)やサイボーグ、ロボットといったテクノロジーの表象分析へと進む。作品と現実を往還しながら展開される議論は、《攻殻機動隊》シリーズの可能性をひらくものでもある。これまで電脳世界や都市の描写に見られる東洋的なモチーフがテクノオリエンタリズムと関連づけられ、あるいは、ダナ・ハラウェイのサイボーグフェミニズムを下敷きに、折衷的、脱構築的、ハイブリッドなどと形容されてきた同シリーズ。その再解釈を通じて、私たちの身体と社会、技術もまた別様の姿をみせるだろう。 近藤は、VRやAR、ゲームなどさまざまなメディアを用いて、レズビアンと美術の関わりをめぐる作品を制作するほか、ME/CFSという難病を抱え車椅子で生活する当事者として、