「アベノミクス」で円安・株高が続く日本。人々は日本経済復活への期待に胸を膨らませている。そのアベノミクスで金融政策の柱となるのが、インフレターゲット(物価上昇率目標)を2%に定め、大胆な金融緩和によって、デフレと円高から脱却するというシナリオだ。それには、新たな金融政策レジームの構築も必要となる。これまで多くの課題を指摘されてきた日本銀行の本来あるべき姿や、とるべき金融政策のスタンスとはどんなものか。また、アベノミクスの効果とはいかほどのものなのか。日本のリフレ派経済学者の代表格として知られ、次期日銀副総裁にも名前が挙がる岩田規久男・学習院大学経済学部教授に、論点を詳しく聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 編集長・原英次郎、小尾拓也) ――まずは、日本銀行のあるべき姿や、とるべき金融政策のスタンスについて、詳しくお話を聞かせてください。政府と日本銀行は、1月下旬に行なわれた日銀金融
[1/2] 国会承認手続きが順調に行けば、3月20日には黒田東彦(はるひこ)日銀総裁が誕生するが、新総裁に引き継がれるのは白川方明(まさあき)総裁が築き上げた莫大(ばくだい)な負の遺産である。 いったい、「白川日銀」とは何だったのか。 日銀生え抜きの理論家、白川氏は京都大学教授時代(2006年7月~08年3月)を除き、独立日銀の政策決定に深く関わり、日銀が理想とするインフレ率ゼロ%以下を達成してきた。 いわば白川氏は「15年デフレ」の立役者で、本人もそのことを矜持(きょうじ)としているフシがある。 昨年秋、安倍晋三自民党総裁が登場して日銀への大胆な政策転換を求め始めたとき、白川総裁は「後世、日本の金融政策を振り返った歴史家は、1990年代後半以降の日本銀行の金融政策が如何(いか)に積極的であったか、大胆であったか、あるいは革新的であったかとみると思います」(11月20日の記者会見)と言い放
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