国際オリンピック委員会(IOC)が、ウクライナに侵攻したロシアと、同盟関係にあるベラルーシの選手について、国際競技大会への復帰を検討すると発表した。 昨年2月の侵攻以降、各国際競技団体に両国選手らの除外を要請してきた。その方針を転換することになる。 背景には、来年のパリ五輪に向けて各競技の予選が本格化する事情がある。想定されているのは、国家の代表ではなく、個人としての参加だ。選手には、侵攻を積極的に支持しない「中立的立場」を求めるという。 IOCは「いかなる選手もパスポート(国籍)を理由に参加が妨げられてはならない」と説明している。国連人権理事会からは除外について「深刻な懸念」が示されていた。 国籍や人種、宗教、民族などによる、あらゆる差別をなくすことは五輪の理想だ。 ただし、IOCの対応には疑問も残る。侵攻の長期化で民間人の被害が拡大し、停戦のめども立っていない。除外措置を解除するのであ