国内最高38.2メートルの大津波の教訓生かす 大船渡・綾里白浜 25メートル前後の津波が到達した大船渡市の綾里白浜地区。防潮堤が破壊され、陸地に飛ばされた 明治三陸大津波(1896年)で国内観測史上最高の38.2メートルの津波を記録した大船渡市綾里白浜。東日本大震災でも25メートル前後の津波が押し寄せたとみられるが、地区住民のほとんどが過去の教訓を生かして高台に住み、被害を免れた。 綾里白浜が湾奥部にある綾里湾はV字形の湾。外洋に面した湾の入り口の幅は約4キロあるが、湾奥部は500メートルに狭まっている。津波が奥に入り込むにつれてエネルギーと水かさも凝縮されるため、津波が強大化する。 住民の話や流された漁具などの形跡から判断すると、震災での津波は海岸から水田を駆け上がった後、水田と約3メートル上にある県道との間ののり面にぶつかり、収まった。県道は標高30メートル前後を通っていることから