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ブックマーク / jmiyaza.hatenablog.com (4)

  • 橋本治「「三島由紀夫」とはなにものだったのか」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)

    [新潮社 2002年1月30日初版] わたしが、三島由紀夫についてはじめて、なにか変だなというか違和感のようなものを感じたのは、その死の日の夕刊を見て、三島が死の日の朝、「豊饒の海」の最後の部分の原稿を編集者に渡していたという記事を読んだときであった。わたしは、三島は何らかの事件にまきこまれて偶然に無意味に死ぬことを望んでいるのだと思っていたので、その事件の詳細がまだわからなかったその時点では、三島が世間をからかうために遊びで作った「楯の会」の会員が三島の冗談を愚かにも真にうけて、「先生立ちましょう」などというので、それに付き合って死んだのだのだろう、と思ったのである。そして、そういう行動により「豊饒の海」が未完で終わることによって、世には文学よりももっと大きなものがあるという主張、三島の晩年の文学嫌悪の主張をを貫徹することになったのだと思った。それが、「豊饒の海」を完結させて死ぬなんて、

    橋本治「「三島由紀夫」とはなにものだったのか」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)
    pha
    pha 2016/02/08
  • 内田樹「説明する人−橋本治」in 橋本治「明日は昨日の風が吹く」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)

    集英社 2009年9月 以下に論じるのは、内田氏の橋治論なのだが、橋氏の既刊の6冊の「ああでもなくこうでもなく」から抜粋したコラムと「広告批評」に掲載されたまま単行未収載のままであったコラムを収めた「明日は昨日の風が吹く」に附された「解説」である。しかもこのは、「まえがき」?で橋氏が、内田さんの書いていることは大体その通りかなとも思うけれど違うところもあるよと書いている、そういう変な構成になっている。 前に「橋治と内田樹」という妙ながあって、橋氏の前で内田氏がただ、じたばたしているというような印象のであった。そうなってしまうのは内田氏が普通のを書くひとであるのに対して、橋氏が来なら絶対になど書かないはずのひとであるからである(それにもかかわらずとんでもない量のを書き続けているが)。 要するに内田氏はインテリであるのに対して、橋氏はインテリではない。知識人業界

    内田樹「説明する人−橋本治」in 橋本治「明日は昨日の風が吹く」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)
  • 橋本治「あなたの苦手な彼女について」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)

    ちくま新書 2008年12月 橋治のフェミニズム論である。それだけに収まるではないが、基的にはフェミニズム論である。こんなことを書くと夜道を歩けないのではないかというようなことを平気で書いている。 「もちろん、そんなことを口にしたら、うるさい女達から袋叩きにあうでしょう」と書いている「そんなこと」というのが、「男にとって、女は“恋愛の対象になる女”と“恋愛の対象にならない女”の二種に大別され、後者は男にとっては、“どうでもいい女”なのだ」ということである。“どうでもいい女”は文字通り“どうでもいい”のであるから、男はまったく関心がない。“どうでもいい”だけなのであるから、別に差別しているとか下にみているということではないにもかかわらず、それを差別であると指摘されて、男はきょとんとするばかりという話なのである。 下世話にいえば、女は美人とそれ以外に分かれるという話なのであるが、そんなこ

    橋本治「あなたの苦手な彼女について」 - jmiyazaの日記(日々平安録2)
    pha
    pha 2013/04/20
  • 橋本治「小林秀雄の恵み」(1) - jmiyazaの日記(日々平安録2)

    新潮社 2007年12月 橋治氏の「小林秀雄の恵み」を読んで、久しぶりに“を読んだ”という気がした。“”を書くというのは、何かいいたいことがあり、それを充分な紙幅にわたって展開することだと思う。橋氏の近著「日の行く道」(集英社新書 2007年11月)も面白かったが、これはあきらかに紙幅がたりない。事実「当はもっと長くてもいいのですが、新書には「限界」もあるらしいので、これで終わりです」とある。最低でもこの3〜4倍の長さは必要なのだろうと思う。それを新書におさめるために、エピソードを二つならべて、次にいきなり結論、エピローグという構成になっている。これで理解できるためには、橋氏の論に普段せっしていることが必要で、それをしていない人間は「日の行く道」を読んだら、何がなにやら、であろう、と思う。そういうものを単著として出すというのはいかがなものなのだろうか? 「上司は思いつきでも

    橋本治「小林秀雄の恵み」(1) - jmiyazaの日記(日々平安録2)
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