“餅まきの聖地”と称されるほど、各地で餅まきが盛んな和歌山県。直径1メートルほどの円盤のような餅を投げたり、畳サイズの餅をやぐらから落としたりするなど、一般的な餅まきのイメージを打ち壊すかのようなイベントが行われている。中でも、春のビッグイベントとされるのが紀三井寺(和歌山市)の「初午(はつうま)福つき大投餅(だいとうもち)」。先輩記者から、その壮絶さについて話は聞いていたものの、目にした現場は餅が雨のように降り注ぎ、想像をはるかに超えていた。(和歌山支局 秋山紀浩)特設舞台に参加者殺到 「決してけがをなさらないよう、くれぐれも注意してくださいね」。マイク越しに僧侶の声が境内に響き渡る。3月17日午後、春を思わせる陽気の中で、その一角だけは異様な雰囲気に包まれていた。 暦で「初午」にあたるこの日は、厄除けと無病息災を願う縁日でもあり、県内各地で餅まきイベントが行われる。中でも、紀三井寺の餅