電子や光子などの粒子が影響を及ぼし合う状態のこと。例えば、1対の光子が量子もつれ状態にあると、何百km離れていても、片方の状態が変われば、それに応じてもう一方の状態も変わる。ある物質が瞬間移動したように見える「量子テレポーテーション」につながるもので、高速演算、セキュリティなど、量子情報処理のさまざまな応用において重要な役割を果たす。 「量子」は、これまでの科学の常識を超え、さまざまな可能性を秘めた概念として期待されています。なかでも重要な研究対象である「量子もつれ」状態を安定して生み出す実験に成功したのが、JST戦略的創造研究推進事業CREST(チーム型研究)の研究課題「光子を用いた量子演算処理新機能の開拓」(研究代表者=井元信之・大阪大学大学院基礎工学研究科教授)の研究成果です。 科学技術の進歩によって見えてきた極小の世界では、「電子がエネルギーの壁を越えて外に出る」など、ニュートン以