今年で60周年を迎える国立国会図書館。昨年度から第14代館長を務める長尾真館長は、年初に「長尾ビジョン」なる指針を発表した。「知識はわれらを豊かにする」という標語のもと、具体的に図書館が取り組む事柄7項目を高らかに宣誓し、国立国会図書館の決意を内外に知らしめたこの「長尾ビジョン」。その真意はどこにあったのか、そして長尾館長の目指すものとは──「LEGGO」案内人である空間デザイナー・李明喜さんがインタビューを行った。 李:今日は対談とは言いましても、ほとんど僕のほうから聞かせていただくことになると思います(笑)。 長尾:何でも聞いて下さい(笑)。 李:僕は空間を作っていますが、空間を「コミュニケーションが起こりうる環境」と捉えています。それゆえ、サーフェイスデザインとしての建築やインテリアにはあまり興味がなく、空間のデザインを通しての認知や知覚、言語等に興味を持って考察しています。それらを