鉄道路線の話題というと廃止について目が行きがちだが、現在も新たな路線の計画が進んでいる。フリーライターの小川裕夫氏が、神奈川県と慶應義塾生にとって悲願ともいえる新路線計画、通称「慶應線」についてリポートする。 * * * 今年4月、国土交通省の諮問機関・交通政策審議会が鉄道整備計画を答申した。同計画は今後の都市鉄道のあり方の方向性を示すもので、答申には24の鉄道整備計画が盛り込まれている。 プロジェクトリストの最初に記載されたのは、京成電鉄押上駅と京浜急行の泉岳寺駅とを新東京駅(仮称)経由で結ぶ計画案。これが実現すれば、成田空港と羽田空港とのアクセスは飛躍的に向上する。 鉄道はどのように整備されるのか? どこを通って、どこに駅をつくるのか? そうした鉄道整備は、実のところ綿密な話し合いで決定されている。いくらJRや私鉄が民間事業者だからといって、自分たちの意のままに決めることはできな