『避難所』 垣谷美雨 東日本大震災をテーマにした小説です。 大きな地震のあと、巨大な津波に襲われ、九死に一生を得た3人の女性。 無職の夫と別れられない50代の福子。 離婚して、母と息子と暮らす40代の渚。 夫と乳飲み子、舅姑と暮らしていた20代の遠乃。 やっとの思いでたどり着いた避難所での生活は、信じられないくらい劣悪なものでした。 プライバシー確保のために用意されていた段ボールの仕切りがあるのに、使わせてもらえない。 理由は、 「自分たちは家族同然で、これから協力して生活していかなけらばならない。互いに親睦を深め、連帯感を強めて乗り切っていくため。」 なのだとか。 自治を任された年長の男性リーダーは、避難所の生活を改善しようと意見をする人に対して、「和を乱すな」、「イヤなら出て行ってもらう」などと脅すのです。 乳飲み子を抱えた遠乃は、好奇の目にさらされ、あやうくレイプまでされそうになりま