ピーター・タスカさんの時事コラムは共感して読むことが多いのだが、日本版ニューズウィーク9・2に掲載された「日本よ、キリギリスになれ」は、奇妙な違和感が残った。タスカさんってこういう考えの人だったっけ。 標題の「日本よ、キリギリスになれ」は、イソップ寓話の「アリとキリギリス」の連想から、アリ型貯蓄志向の日本とドイツに、キリギリス型消費志向のアメリカやイギリスを対比させ、現下の世界的景気後退では、キリギリス型の消費志向が望ましく、アリ型貯蓄志向の日本とドイツは経済的なダメージを受けるという話だ。リードも「いま必要なのは『アリ型』を捨てる新たな国家戦略だ」となっている。英語の標題は「The Penalty for Saving (貯蓄の罰)」とより直裁だ。 日本経済の活性に必要なのは、内需だ、というよくある話なのだが、これが民主党政権への期待に結びつけられている展開になって、え?と驚いた。タスカ