2013年4月4日、アメリカのメイン州で無人の別荘地帯に盗みに入った男が捕まる。 捕まったクリストファー・ナイトは、20歳のときに森の中に入って以来27年間、二度簡単な挨拶の言葉を交わした以外は、手紙や文字も含めて一切世間と関わらず生きてきた。 アメリカでは映画にもなった、27年間世間と隔絶した生活を送ったクリス・ナイトの実話。 ナイトが無人とはいえ、別荘地帯に頻繁に盗みに入っていた、というのはすごく引っかかった。 「何が盗られたかは問題ではなく、不気味で怖かった。心の平穏が乱された」という人の気持ちはよく分かる。 ナイトは暴力行為や破壊行為は一切していないし、盗んだもの自体は些細なものだけれど、何回も繰り返し入られれば日常生活に支障をきたすくらいの心配事になるだろう。 ただ一方で、こういう完全に文明社会から隔絶して生きていきたい、という人が生きる余地が現代はないというのは、その通りかもし