テレビ各局の4月改編が少しずつオープンになっているが、目立つのは報道番組のキャスターの交代だ。テレビ朝日系「報道ステーション」の古舘伊知郎氏をはじめ、TBS系「NEWS23」の岸井成格氏と膳場貴子氏、そしてNHK「クローズアップ現代」の国谷裕子氏らが番組を去る。 長年、放送界を取材してきたが、これほど同時に報道番組の顔が代わるというのは記憶にない。しかも、「視聴率の低迷」という番組改編の一般的な事情に組みしていないのも異例だ。先の3番組に共通しているのは、安倍政権とのあつれきだ。 中でも岸井氏は、露骨な批判を受けた。政府与党が強引に国会を通した安全保障法制について、批判的なコメントを続けたところ、「放送法遵守を求める視聴者の会」が、産経新聞と読売新聞に全面広告を出稿した。報道が偏っていると、岸井氏1人を名指しで批判した。長年にわたってメディア界わいを取材してきたが、こんな個人を批判する広告