残念ながら、ショービジネス界はJames Chanceという人物を理解できていないでしょう。ところがどっこい、彼はショービジネスをきっちり理解しています。ウィスコンシン州で生まれ、70年代後半に、マンハッタン・アベニューの月125ドルの部屋に辿り着いたChanceは、間違いなくロウアーイーストサイドのベストドレッサーでした。というのも、まず音がシャレオツ。当時の音楽シーンにまったく欠けていたジャズやファンクに対する皮肉ではない愛を、茶目っ気たっぷりのユーモアも加えながらシーンに吹き込んだのですから。彼のバンドCONTORTIONSは、ノー・ウェーブのコンピレーションアルバム『No New York』(プロデューサーはBrian Eno。でもChanceに言わせれば「プロデューサーなんかじゃなかったね。ただのフィールドワークってとこだろ」)の参加を経て、TELEVISIONの『Marquee