奈良県天川村の弥山(標高1895メートル)で1人で登山し、下山予定の17日から行方不明になっていた三重県四日市市山分町、会社員、油田克三さん(54)が23日、自力で下山しているのを奈良県警中吉野署員が見つけた。台風6号の豪雨を寝袋一つで動かずにしのぎ、持参したおにぎり3個と缶詰2個で空腹に耐えた。外傷はないが衰弱が激しく、病院に運ばれた。 同署によると、家族から「帰宅しない」との届けを受け、弥山の登山口で油田さんの車を19日に発見。捜索していた。23日午前11時40分ごろ、男性登山者が下山中の油田さんに会い、「生きていると家族に伝えてほしい」と依頼された。家族を通じ通報を受けた署員が油田さんを確認した。 油田さんは「雨が降り始めた18日から22日までは山中で動かず、23日から山を下りた」と話したという。【熊谷仁志】