福井県9市町の行政システムが2018年7月22日、障害で使用できなくなった。この結果、証明書発行などの住民向けサービスが停止や縮小に追い込まれた。発端は、ITベンダーがネットワーク仮想化ソフトを最新版に更新したこと。更新後に障害が発生し、システムと庁舎との通信が途絶えた。更新の切り戻しにも失敗。完全復旧に8日間を費やした。 「庁内のシステムが使えない」。 猛暑が続いていた2018年7月22日の日曜日、福井県坂井市役所の休日担当職員が朝にPCを立ち上げ、異変に気づいた。坂井市は県北部にあり、東尋坊や丸岡城などの観光資源を抱える県内第2の都市である。 市役所の情報システム部門に当たる企画情報課の担当者が、報告を受けて急きょ出勤。事態の深刻さを把握した。住民基本台帳(住基)、税務、社会保障、水道など住民サービス用のシステムに加え、庁内向けの財務会計、人事給与、文書管理、庶務、グループウエアなどの