保管庫内に運び込まれた震災がれき=北九州市小倉北区の日明積み出し基地で2012年9月14日午前10時1分、徳野仁子撮影 北九州市は14日、宮城県石巻市のがれきを焼却する準備作業を始めた。西日本初となる震災がれきの広域処理で、17日から市内のごみ焼却工場3カ所で焼却処理される。 がれき約800トンはコンテナ106基に積まれ、専用船で13日、北九州市門司区の太刀浦コンテナターミナルに運び込まれた。14日午前9時半、ごみを保管する同市小倉北区の日明(ひあがり)積み出し基地への搬入がスタート。夕方までにコンテナ20基分約140トンを運び込む予定で、市は基地の敷地境界など5カ所で空間放射線量を測定した。その結果、普段と変わりはなかったという。 同基地から約500メートル離れた道路では、警察と市がバリケードを設置。前では、がれき受け入れに反対する市民ら約20人が「放射能ガレキNO!」などと書かれた横断
秋田市は8日、市総合環境センター(同市河辺豊成)が、スクラップ業者「秋田臨港」(同市飯島)に売却したスクラップの中にあった鉛製容器から、高い放射線量を検出したと発表した。 一般市民への影響はないとみられ、同センター職員9人の被ばく状況を調べている。 市環境部によると、容器は取っ手付きの円柱型(直径11センチ、高さ24センチ、重さ14キロ)で、容器近くで測定した空間放射線量は1時間当たり48・86マイクロシーベルト、1メートル離れると同2・05マイクロシーベルトだった。容器は密閉され中身は不明だが、数千万ベクレルの放射性物質が入っている可能性もあるという。 スクラップは7日午後4時半ごろ運び込まれ、秋田臨港が放射能検知器でトラックを測定。同9・6マイクロシーベルトが検出されたため、原因を調べ、容器からと分かった。容器は同センターの旧焼却施設内の四方がコンクリートの部屋で一時保管している。部屋
昨年3月の東京電力福島第1原発の事故を受け、停止の相次いだ国内の原発がついに全基停止した。事故から約1年2カ月、事故現場では先の見えない処理作業が続き、原発の肩代わりをしている全国の火力発電所では、故障による急停止におびえながら電力安定供給に向けたフル稼働が続いている。 原発ゼロのまま猛暑を迎えた場合、日本列島の電力の頼みの綱は長期間の停止状態から再稼働させた火力発電所だ。しかし、再稼働した火力の多くは運転開始から40年以上過ぎて老朽化しており、現場技術者がだましだまし動かしている。予備の供給力がほぼゼロの現状では、火力が1カ所急停止するだけでも大規模停電の引き金となりかねず、電力供給は薄氷の上にある。 東京湾南西岸にある東京電力横須賀火力発電所(神奈川県横須賀市)。福島第1原発事故を受けて昨年6月、1年3カ月ぶりに再稼働した同火力の敷地内には「立ち入り禁止」の張り紙が随所にある。煙突につ
民主党の前原誠司政調会長は29日のTBS番組の収録で、消費増税に反対して離党を検討している小沢一郎元代表について「『反増税・反原発』というだけで選挙に勝てるというのであれば国民をばかにしている」と強く批判した。元代表らが衆院で記名採決された一体改革関連3法案すべてに反対したことにも触れて「(注意などの)『措置』ではなく、何らかの処分だと理解している」と語り、党員資格停止以上の処分になるとの認識を示した。 民主党の菅直人前首相も29日付のブログで、「国民との約束を守らなかった」と政権批判を繰り返す小沢元代表に対し「政権交代後に自ら幹事長を務めた小沢さんが、政権交代後のことを他人事のように批判するのは納得できない」と不快感を示した。
2月下旬、「週刊文春」が「福島県から北海道に避難した子ども2人が甲状腺がんの疑い」という記事を掲載した。私はツイッターで「福島第1原発事故から1年で放射線に起因する甲状腺がんが発生することはない。文春の記事は、事故と関連があるかのように印象付けている点で、勉強不足、または売らんがための記事だ」と批判した。私のツイートを見てくれているフォロワー(現在5900人)の何人かがそれをツイートしてくれ、一気に広がった。フォロワーの医師がすぐに、甲状腺がんの詳細な説明付きで「原発事故とは無関係」と断じる連続ツイートを返してくれた。一連のツイートは誰かの手によって、誰もが読めるようにまとめられた。ツイッターの魅力である「双方向性」と「情報拡散の広さと速さ」を物語るエピソードだ。 ツイッターを始めたのは昨年3月下旬。政府が放射線の影響について「ただちに健康に影響しない」と紋切り型の説明しかしなかったため過
富士山(標高3776メートル)直下に、阪神大震災(95年)に匹敵するマグニチュード(M)7級の地震を起こす活断層がある可能性が高いことが、東京大地震研究所を中心とした文部科学省の委託調査で分かった。強い揺れで斜面の土砂が大量に滑り落ちる「山体崩壊」につながる恐れもあり、調査を続ける。 富士山付近は火山灰などに覆われて「地表のずれ」が見えず、これまで活断層の調査が難しかった。地震研究所の佐藤比呂志教授らは昨年、特殊な車で地中から反射する振動を調べる方法で、深さ約10キロまでに活断層がないかを調べた。 山梨県富士吉田市から神奈川県箱根町まで約140キロのライン沿いを調査し、山頂から約20キロ東の静岡県御殿場市付近に、上下幅約1キロのずれを発見。1回だけの地震ではできないほどの大きさで、地震が何度も繰り返される活断層の可能性が高いと判断した。 ずれは地表近くまで達し、こうした場合一般的にM7級が
大阪市が、市役所のサーバーに保存されている市長部局全職員の内部メールの点検調査に着手したことが分かった。橋下徹市長が問題視する職員の政治・組合活動の実態解明が狙い。調査を担当する市特別参与の弁護士がデータの提供を受けたが、この調査を市は職員に通知しておらず、識者は「職員の了解もないのは行き過ぎだ」と指摘している。 調査対象は、市長部局の職員約2万3400人が、庁内ネットワーク上で送受信した業務連絡用の内部メール。私的利用は禁止されているが、市では通常、メールの監視は行っておらず、同様の調査は初めて。サーバーの保存容量は1人当たり40メガバイトで、最大で数百通が保存されているとみられる。 市総務局などによると、市特別参与の山形康郎弁護士から要請があり、今月18、19日の2日がかりでサーバーのデータを取り出した。調査リーダーは、組合問題を担当する市特別顧問の野村修也弁護士。外部との送受信記録に
東日本大震災:福島第1原発事故 1ミリシーベルト以上、4745人中1人 福島・南相馬市立病院で市民調査 ◇内部被ばく「検出できず」6割 福島県南相馬市立総合病院の坪倉正治医師らが行った高校生以上の市民の内部被ばく線量調査の結果、検出限界以下となった人が昨年9~12月の3カ月間で約1・6倍に増えていたことが分かった。また、大半が国の規制値の年間1ミリシーベルトを下回っていた。被ばく線量は時間の経過と共に低下する傾向がみられ、原発事故後の食事や空気、水などによる慢性的な内部被ばくがそれほど大きくない実態が浮かび上がった。 調査は昨年7月11日から、南相馬市民や、一部伊達市民など計約1万人を対象に、内部被ばくを測定する「ホールボディーカウンター」を使って原発事故で放出された放射性物質セシウム137の被ばく線量を測定。このうち、昨年9月26日~12月27日までに測定した高校生以上の南相馬市民474
専門外のことには口を出さない。多くの科学者の「正しい」態度である。原発事故がこの「正しさ」を覆した。 「餅は餅屋だと思っていたのに、なかなか餅屋が出てこなくて」。そう笑うのは東大理学部の早野龍五教授だ。本職は反物質を使った素粒子研究。スイスの欧州合同原子核研究所(CERN)で国際チームを率いる。放射線測定はともかく、被ばくについては素人同然だった。それが震災で一転した。 「ツイッターで放射線の状況をつぶやくうちに、子どもの食べ物への不安が大きいことがわかった」。そこで、給食を丸ごと測定する方法を提案し政府にも働きかけた。抵抗にもあったが、自主的に行う自治体が相次いだ。福島県南相馬市でも測定にこぎ着けたところだ。 その活動を見て、南相馬市立総合病院に応援に通う東大医科研の内科医、坪倉正治さんが相談を持ちかけた。福島第1原発から23キロ。病院は住民のために早く内部被ばくを測りたいと、国内外のホ
「原発の発電コストは安い」。これまで原発推進のひとつの根拠として繰り返されてきた言葉である。 東京電力福島第1原発の大事故を経て、この「安価神話」が崩れた。 事故後、原発コストの見直しを進めてきた政府の「コスト等検証委員会」の試算によると原発の発電コストは最低でも1キロワット時当たり8.9円。これまで電力会社や政府が提示してきたコストの1.5倍となる。 放射性物質の除染や廃炉、損害の費用など今後の事故処理の費用がかさめば、さらにコストは増す。 石炭火力、液化天然ガス(LNG)火力が10円前後であることを思えば、原発のコストの優位性は大きく揺らいだといえる。風力や地熱も条件がよければ原子力に対抗でき、太陽光も20年後にはそれなりに安くなる可能性が示されている。 政府はこれをきっかけに、「コスト高」を理由に敬遠されてきた再生可能エネルギーへの投資と推進政策を本気になって進めるべきだ。 今回の試
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