メニューは1杯1万円のラーメンだけ−。国中がデフレにあえぐ中、こんなとんでもない店が来年1月、東京都内に誕生する。目黒区上目黒の「藤巻激城」。1杯3千円の価格設定と会員予約制を敷き、庶民の味「ラーメン」の世界に“高級”という概念を持ち込んだ店主、藤巻将一さん(41)の新たな挑戦だ。今回、裏メニュー的に存在していた1万円の「五味融合皇帝麺(めん)」に絞ったというのだが…。(安岡一成) 「スープが1万円、麺はオマケです」 自信たっぷりな視線を色つき眼鏡の向こうからのぞかせて説明する「1万円のカラクリ」は簡単に言うと、中華の高級食材の金華ハムなどを煮込んだ肉系スープと、テナガエビやワタリガニなどの海鮮スープを混ぜ合わせ、さらにエビとカニのペーストを加えたもの。タイ宮廷料理と広東料理の融合という。 「材料の調達に1日、調理に1日、寝かせるのに1日。3日前の予約です」 「味の邪魔になる」と具はない。