もし、日本人と外国人観光客が手を取り合って臨むべきことがあるとすれば、それは「原宿駅」の保存だろう。海外から来た多くの観光客は、自分の国では見たことがない、建築のユニークさに心を打たれ、その姿を写真に収める。ひょっとしたらこの感覚は日本人にはわからないかもしれない。原宿駅は外国人にそんな気持ちを抱かせる貴重な駅のひとつだ。 1924年6月に竣工した「大正モダン」スタイルの現在の原宿駅は、都内最古の木造建築であると同時に、1日平均7万人以上が利用する混雑した駅のひとつでもある。悠々としたカントリー調の外観は、駅前にあるヒップな竹下通りと、面白いコントラストを醸し出している。原宿駅は、東京にとって銀座4丁目の和光と同じくらいアイコン的な存在だ。 「原宿駅は丹下健三が設計した代々木体育館とともに、かつてあった時代の回廊をあの街に作り出している」と、世界的なライフスタイル誌『モノクル』の日本特派員