松本市安曇の北アルプス上高地にある小梨平キャンプ場で熊に襲われけがをした都内の50代女性が13日、信濃毎日新聞の取材に応じ「一瞬でテントが引き裂かれ、脚も引っかかれた。恐怖で痛みすら感じなかった」などと当時の状況を語った。食料はビニール袋などに入れた上でテント内に保管していた。「テント内に食料があると熊が学習しているようだ」と指摘し、対策の必要性を訴えた。 女性は8日、仲間と2泊3日の予定で訪れ、いくつものテントが並ぶ中、1人用テントを設営。夜11時半ごろに突然、テントが強烈な力で引っ張られ、目を覚ました。何が起きているか分からず「助けて」と叫んだが、テントごと15メートルほど引きずられた。 熊の大きな影が立ち上がるのがテント内から見え、一瞬のうちにテントが引き裂かれた。うめき声の後に、熊の手が右膝に振り下ろされた。近くのトイレに逃げ込んだ。 間もなくトイレに来た男性に助けを求め、巡回中の