定期的にこの日記でも人工知能学会の学会誌のことを取り上げているが、今月号の人工知能学会誌の記事もおもしろかったので紹介。特集が2つあり「オントロジーの進化と普及(前編)」と「論理に基づく推論研究の動向」について書かれている。 「オントロジー」と聞くと哲学出身の自分なんかは人工知能学における使い方は濫用に聞こえてしまうのだが、それについても岡田光弘さんが哲学的立場から、そして林良彦さんが言語学的立場からしっかり書かれており、圧巻である。 「論理」のほうは古典的な論理プログラミングの最先端の話に続き、この10年くらい研究が進んでいる論理的アプローチによる確率モデリング(統計的アブダクション)の話。Markov Logic Network の話も少しだけ出てきているが、MLN のような論理と確率的推論を組み合わせたような研究は、近年の計算機の高速化がなければ不可能だった話で、以前は解けなかったよ