TPP 巨大経済圏の実力 環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案の国会審議が始まった。TPPが発効すれば世界の国内総生産(GDP)の4割を占める巨大経済圏が実現する。しかし、米国では大統領選で争う共和党のトランプ氏と民主党のクリントン氏の両候補がそろって批准反対を表明しており、早期発効には暗雲が垂れこめている。 TPP参加国のGDPは世界の4割を占める 日本や米国など12カ国が参加するTPPは、2015年10月に大筋合意をとりつけ、16年2月に各国が協定に署名した。署名から2年以内に12カ国すべてで国内手続きが完了すると、協定が発効する。2年以内に手続きが終わらない場合、12カ国のうち、GDPの85%以上を占める6カ国以上が手続きを終える必要がある。そのためGDPの60%超を占める米国の批准が必須だ。次の大統領候補がそろって反対姿勢を示すなか、オバマ大統領在任中の米国の批准が焦点