学校のレポートや会社の書類を学生や若手社員が「コピペ(コピーして貼り付ける)する」という問題があるが、なんと裁判官の世界にまで、しかも判決文という神聖な領域に、コピペが侵食していた。 変質していく裁判官 裁判官という「厳正で崇高な職務」に誇りと使命感を抱き、時に寝食を忘れ、裁判に打ち込んできたベテラン裁判官たちは、後輩の若手裁判官の意識の変化に、少なからず戸惑いを覚えている。 2002年5月、司法研修所で実施されたベテラン裁判官と元裁判官による研究会でも、この変化について議論が及んだ。 匿名処置された出席者のひとりは、若手裁判官が「裁判を事務程度に考え易く、裁判官としての背筋を伸ばした姿勢は保てなくなってゆくのではないか」との危惧を述べたあと、こう続けている。 「例えば、判決起案が差し迫っていても、それを差し置いて、夏休みには家族で海外旅行へ行く、冬休みにはどこそこへ行くといったライフスタ