<戦争の「天王山」はクリミア半島、セバストポリの軍港が核使用のきっかけに!? 日本有数のロシア通である2人が対談し、ウクライナ戦争を議論した> ※本誌2023年4月4日号「小泉悠×河東哲夫 ウクライナ戦争 超分析」特集に掲載した10ページに及ぶ対談記事より抜粋。対談は3月11日に東京で行われた。 ※対談記事の抜粋第1回:小泉悠×河東哲夫・超分析「仮に停戦してもウクライナが破る可能性もある」 より続く。 ――今後、作戦の展開がどうなっていくかが1つの大きな焦点です。ウクライナ軍はクリミア半島の奪還を目指すでしょうか。 ■河東 クリミアが今、実際には一番大きな問題だと思います。ロシア軍がクリミアを守るための補給路が非常に「細く」なっている。主として2本あるのですが、1本は(昨年10月に)爆破事件があったケルチ海峡の橋。あれはまたいつ爆破されるか分からない。 もう1本はクリミアの西のほうから陸路