ガザ大虐殺が起きています。ついに、2008-09年にかけての大空爆・陸上侵攻で1400人が殺害されたときの規模を超えて、今回は1500人以上の死者が出ています。その8割以上が一般市民です。それに対して、イスラエル側に出た約50人の死者のほとんどが、このガザ攻撃の軍事作戦中に死亡したもので、市民の死者は数人です。しかし、これをメディアは相変わらず、「イスラエル軍と原理主義組織ハマスとのあいだの攻撃の応酬」あるいは「報復の連鎖」と表現し続けています。これは何重にも間違いです。 もちろん、武力の規模が圧倒的に違う、ということはあります。持っている軍事力からしたら、イスラエルのほうが一千倍なのか一万倍なのかと論じること自体が無意味なほど比較になりません。しかしこれは、大きさの違いという相対的な問題ではありません。というのも、「イスラエルとハマスという二つの勢力が争っている」という図式そのものが間違