国の給付金4630万円を誤って一人の町民に送金してしまった山口県阿武町に、日本中からの注目が集まっている。なぜ町は、ミスに気づきながら、“ネコババ行為”を許してしまったのか。カネはどこに消え、その間、銀行はどうしていたのか――。副町長を直撃した。 【写真】「コンビニが一軒もない」風光明媚な自然に囲まれた阿武町 *** 山口銀行の職員が気づいた コンビニエンスストアが一軒もない町――。日本海に面し、山に囲まれた人口約3000人の阿武町は、自然豊かな暮らしをいまも守り続けている。長閑な町を騒然とさせる事件が起きたのは、4月8日のことである。 「新型コロナで生活に困窮する世帯を対象とした国の給付金10万円を、町民463人に振り込むはずが、そのうちの1人の口座に、463人分の総額4630万円を二重に振り込んでしまったのです。その町民のもとには、正規にもらえる10万円も加え、4640万円が振り込まれ
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