一口に「自由主義史観」派といっても、その言動のスタイルはさまざまです。藤岡信勝のようなプロパガンダ臭いっぱいのアジ演説は、その胡散臭さも明白で、ある意味「分かりやすい」のですが、秦郁彦の一見中立風な学者然とした物言いには未だに騙される人が少なくないようです。私の経験上でも、こうした問題に対してそれなりの見識を持っていてもよさそうな人が、秦氏の所説を「史学的立場」に立つものと評価していたりして、驚かされることがあります。 「従軍慰安婦」問題に関して、その秦氏がとりわけ熱心に行ってきたのが、クマラスワミ報告書に対する攻撃です。報告書中のわずかな誤りをあげつらっては、「学生のレポートなら落第」などと「評価」してみせる氏ですが、その氏が資料を歪曲して利用するその手口は、学生のレポートなら落第どころか退学モノと言わざるを得ないようなシロモノです。ここに掲載する記事では、「朝日新聞によれば」とか「吉