この三月で靖國神社の ほうを引かせていただきました。十三年九カ月、ほぼ十四年間、ご奉仕させていただいたことになります。宮司を仰せつかったのが昭和五十三年、あとでまた申 し上げるかもしれませんが、当初はお断りしつづけた。ところがどうしても逃げきれなくなって、お引き受けしたときに定年制を採用したのです。宮司は七十三 歳、権宮司七十歳、禰宜以下は六十八歳ー。と申しますのは、「トップは十年」というのが私の持論でして、十年以上同じトップが続くと、人事や運営にどうし ても偏りができてしまう。当時、私は六十三歳でした。それで宮司の定年を七十三歳にしようと(笑)。ところが十年の予定で始めた整備計画でお社の修築が意 外に長びいたり、次にお願いする宮司さんを探したりで、持説通りには参りませんでした。 私は神職の出ではございません。もともとはエンジニアです。戦前生まれで、松平とか徳川と付きますと、「宮司さん、学