首都圏の街の「本当に住みやすい街大賞 2017」(住宅ローン専門金融会社「アルヒ」主催)が発表された。第1位は「南阿佐ケ谷」(東京都杉並区)。なぜ選ばれたのか。住宅ジャーナリストの櫻井幸雄さんが、その理由を解説する。【毎日新聞経済プレミア】 「本当に住みやすい街大賞 2017」は今年から始まった表彰だ。首都圏の街で「住みたいけれど、住めない街」ではなく、実際に家を新築したり、マイホームを購入したりする人が多い場所で、長く住み続けたい要素を備える街を選ぶこと。憧れの住宅地を選ぶ人気投票ではなく、将来の値上がりを重視することもなく、不動産価格の妥当性に比重を置いて選定が行われた。私はその審査委員長を務めた。 吉祥寺や自由が丘に代表される“住みたい街”常連エリアは、現実的には住めない場所が多い。分譲価格が高いし、新築分譲住宅の売り出しも少ない。それに対して「本当に住みやすい街」では、現実的に手が