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ブックマーク / www.webchikuma.jp (4)

  • 第56回 大きなテーブル|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    会議室にとても大きなテーブルがある。そのテーブルを囲んで、数人の大人がタバコを吸いながら会議をしている。テーブルの中央には灰皿がひとつ置かれているが、灰を落とすにはとにかく腕を伸ばさないと届かない。会議は何事もなく続いている。 コント「大きなテーブル」について聞いたのは、これだけだった。私は頭の中で、勝手にこのテーブルを円卓にしてみる。窓のブラインドを開けてみる。灰皿のまわりに散らばる灰の量を増やしてみる。テーブルのサイズを調節する。どうするのが面白いのか、自分の能力を測るように、その会議室をおそるおそる動かしていく。 「あれは笑ったなあ」 渋谷のデニーズで、昔自分が書いたコントの設定を話しながら、宮沢さんは楽しそうに笑った。日常にある動き、身体性の笑いについて教えてくれるのに、宮沢さんは「こうするのが面白いよ」とは言わずに、「あれは笑った」と言う。そんなところが好きだった。 「あの当時は

    第56回 大きなテーブル|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
  • コロナ禍でも利用される「暮し」への祈り|筑摩選書|青柳 美帆子|webちくま

    WEBメディアの編集を通して現代の暮らしを見つめてきた青柳美帆子さんに、大塚英志著『「暮し」のファシズム』を書評していただきました。コロナ禍における「自粛」と戦時下の生活の共通点とは――。(PR誌「ちくま」2021年4月号より転載) 大塚英志の『「暮し」のファシズム』は、webちくまに緊急事態宣言下の2020年5月に掲載された特集「『ていねいな暮らし』の戦時下起源と『女文字』の男たち」をもとに、戦時下のプロパガンダによって作り上げられた「生活」をつまびらかにするスリリングなだ。 1940年代前半、戦争に突き進んでいった日は、「新体制運動」を開始。全面戦争が可能になる国家を作り上げるため、国民の生活を更新することを目指すようになった。 推し進められた戦時下プロパガンダには「男文字」と「女文字」があったと大塚は言う。戦争を知らない現代の私たちは、戦争の"前線"を直に描いたものを想起しがちだ

    コロナ禍でも利用される「暮し」への祈り|筑摩選書|青柳 美帆子|webちくま
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    popup-desktop 2021/04/06
    「強いられた暮らしをポジティブに乗り越えようとする祈りと工夫が、旗振り役がいないにもかかわらず結果的に戦時下の人々と同様の利用と動員を呼び寄せている」
  • 第2回「こいつの足くさいから洗ってんねんー!」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    兄ちゃんがいる。二つ上の、調子がいいことだけが取り柄のヘラヘラした人間である。親父は事あるごとに「あいつには芯があらへん」と、なぜか嬉しそうに言っていた。嬉しそうなのがいつも腑に落ちなかった。 小・中学はサッカーでキック&シュート、高校はバンドでロック&ロール。大学へ入ると同時にバーでバイトを始め、シェイカーを振る音が青年期の訪れを告げるファンファーレとなった。「なんか楽しそうモテそうカッコ良さそう教」信者の兄ちゃんは、お酒をエンジンにして遊びも女も好奇心の赴くままに満喫し、その後当然のようにバイト先に就職した。今は結婚して3児の父となり、私の元にはバカ甥が屈託のない笑顔でウンコの唄を歌っている動画が送られてくる。 確かに、シャーペンほどの芯すらない。どうやって立っているのかも不思議だ。こうなってくると、あれほど芯がない男を支えてそれらしく見せている背骨にも罪があるような気がしてくる。 彼

    第2回「こいつの足くさいから洗ってんねんー!」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
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    popup-desktop 2018/07/03
    数行おきに文才が漏れ出まくってて凄い。
  • 第1回「イルカも泳ぐわい。」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま

    Aマッソ加納の初エッセイ連載スタート! 大好きなものから納得いかない芸人の掟まで、類稀なるワードセンスで注目される若手芸人が、「何言うてんねん」と感じる事々を綴ります。 不可抗力だと分かってはいても、YouTubeに自分達の動画を勝手にアップロードされるのはあまり気持ちの良いものではない。「この番組に向けて」「この時間帯のオンエアだから」など、今このネタを選んだ様々な意図などおかまいなしに、芸人のネタは知らない人の手によって、あのフードコートのように好きなものが選べる場所で、いつでもべられるファーストフードと化していく。 しかし当のことを言うと、どの芸人も元はといえばただのお笑いが大好きなガキである。数年前のあの人のあのネタ、師匠が若い時のキレキレのコント、一度は生で見たかった今は亡きあのコンビの伝説の漫才、そんなものを夜中に見られるのは正直嬉しい。もちろん需要があるから供給が生まれる

    第1回「イルカも泳ぐわい。」|何言うてんねん|Aマッソ 加納|webちくま
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    popup-desktop 2018/05/25
    「不必要なものだけを堪能できるようになれば、それは最高の娯楽になるはずだと、私は信じている。娯楽の中の娯楽。「どういう意味ですか?」という言葉は仕事場に置いていこう」
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