安倍政権内で14日までに、北方領土交渉の落としどころとして検討してきた譲歩案の「2島引き渡し」について、近い将来にロシアから同意を取り付けるのは困難だとの見方が強まった。背景には「ロシアに態度軟化の兆しが見えない」(政府筋)との判断があり、首相官邸や外務省で諦めムードが漂う。交渉のヤマ場と目された2016年12月の山口県長門市での日ロ首脳会談から、15日で3年を迎える。 北方四島のうち色丹島と歯舞群島だけをロシアから譲り受けることで問題の決着を図る2島引き渡し案に関し、政権幹部は「それでもロシアはうんと言わない。協議には時間がかかる」と強調した。