イラン司法府は14日、女性に硫酸をかけて失明させたとして、同様に視力を失わせる判決が確定していた30代の男性に対する刑の執行を取りやめた。イスラム法の同害報復刑(キサース刑)と呼ばれるもので、国際社会の批判を考慮して延期したとみられる。 報道によると、男性は大学時代、同級生だった女性に求婚して断られ、2004年11月、顔に硫酸をかけて両目を失明させた。 テヘランの裁判所は08年11月、「男にも苦しみを与えたい」という女性の訴えを聞き入れ、男性の両目に硫酸をたらして失明させる判決を言い渡した。最高裁もこれを支持。刑は14日に執行される予定だったが、イラン学生通信は直前になって「延期された。執行日は未定」とする司法府関係者の話を伝えた。 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは13日、「冷酷で非人道的」として停止を求める緊急声明を発表していた。 キサース刑は、被害者が受けた損傷と