しかし、経済学でいわばダークホースの学説、MMT(現代貨幣理論:Modern Money Theory)によると、政府赤字が出ても、政府は紙幣を発行すればいいので、通貨発行国は破産することはない。政府が貨幣を発行しすぎるとインフレーション(以下、インフレ)が起こって国民を困らせることはある。インフレが起きないならば、財政赤字は国民の福祉を助けるというのである。 しかし読者は、それでも政府が無駄遣いしてもよいのかと問いかけてくるだろう。たとえば、トランプ前米大統領は、個人的利益のために、主要7カ国首脳会議(G7サミット)を自分が所有するフロリダやスコットランドのリゾートでやろうと試みた。このように、一般に政府は民間の経済主体と異なり利益を求めて経済合理性に従って行動しないから、財政支出が政治的な利害だけで決定されて、無駄に使われる可能性も高い。
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