グローバリゼーションにより,大学は近年,従来の教育・研究活動,また社会との関係についての再考を迫られるようになった.世界中で進む学生の国境を越えた移動と大学教育の輸出入の拡大,就職市場のグローバル化,知と大学の関係の変化,英語教育の新展開,デジタルメディアの影響――.激変する環境への対応と模索を論じる. ■ 本シリーズのねらい 広田照幸(編集委員を代表して) 資本・情報・労働力が国境を越えて移動するグローバリゼーションが急速に進展している.そうした大きな社会・経済の変動は,大学のあり方に根底からの変化を迫ってきている.本シリーズは,こうした大きな変動にさらされている現代の大学を,さまざまな角度から考察し,未来に向けて希望のもてる大学像を新たに紡ぎ出したいという思いから編まれている. 大学が「象牙の塔」として,大学の外の動きに対して超然としていることは,もはやできない.しかし同時に,「知識基