日本の女性は欧州の女性と比べて、夫や恋人から受けた暴力を警察に通報しない傾向が強いとするアンケートの結果を、龍谷大の津島昌寛社会学部教授や浜井浩一法学部教授らのグループが3日、発表した。背景には、身内や「家」を重んじる日本の文化があるとして、「公的機関や地域住民の女性への気配りが必要だ」と訴えている。 調査は、2012年にEUが実施した「欧州における女性の幸福と安全に関する調査」との比較検討が目的で、暴力被害の有無やその種類、対応などEU調査とほぼ同じ約50項目にわたって質問した。対象は、無作為に選んだ近畿在住の18歳以上75歳未満の女性約2400人で、自宅訪問で依頼に応じた741人分の回答を分析した。 15歳以降に夫や恋人などから身体的な暴力を受けたことがあると答えた割合は、EUの20%に対し、日本は9%だった。その中で暴力を警察に通報した割合は、EUが14%だったのに対し、日本は0