2011/7/310:32 農業で稼ぐ!経済学 浅川芳裕 本書の執筆動機はきわめてシンプルです。経済学の考え方を使って、「農家の経営」ひいては「日本の農業」の今を正しく分析し、もっと〝よくする〟ための新たな議論を提起することです。経済学とは、僕の理解では、もっている資源をうまく使って人々が豊かになる方法を考え、そのヒントを提示する学問です。 しかし、現実は違います。日本の農業経済学者の大多数が提示する議論は、「日本農業の資源がいかに少ないか」から始まります。そして、「日本の農家はどれだけ豊かでないか(貧しいか)」を分析し、だから「日本農業には未来がない」との申し合わせたような結論に至ります。とくに「小規模だから海外に負ける」との悲観論を前提に、もっと保護を求める論調が大勢を占めます。 僕には訳がわかりません。日本の面積がアメリカやオーストラリアより狭いことは、小学生でも知っています。それを