7月24日(ブルームバーグ):学習院大学経済学部の岩田規久男教授は、財政破綻の阻止には主要国で一般的な前年比2%のインフレを含めた年率3%の名目成長率が不可欠だとみている。長年にわたり円高・株安・低成長を招いたデフレは金融政策だけで脱却可能だとし、過度の独立性を付与した日銀法を改正してインフレ目標の達成を日本銀行に義務付けるべきだと主張する。 日銀に批判的な言説で知られる岩田教授(69)は、財政再建は「名目3%成長なら増税なしでもできる。デフレのままでは不可能だ」と言明。財政の持続可能性を測る政府債務残高の対国内総生産(GDP)比率に歯止めをかけるには、税収を増やす必要があると説明した。同教授の試算によると、税収は名目成長率の2.9倍のペースで伸びる。また日本国債の総合的な利回りは足元で約1.48%と推計。名目成長率が同水準に届かないと、同比率が「青天井で上がってしまう」と警告した。