原子力規制委員会(原子力規制庁)が入居する超高層の「六本木ファーストビル」(東京・港区) 正面入り口に貼り出された特大の「特別警戒中」が目を引く。受付には民間警備員がいるものの、入退管理のゲート規制は行われていない(撮影/本誌 宮嶋巌) ちょっとお疲れ(田中俊一委員長) 3・11は原発サイトの弱みを曝け出した。もはや中央制御室を武装占拠するまでもない。内部に潜り込んだ確信犯が非常用電源や配電盤を含む電源・給水システムを破壊すれば、数時間後にメルトダウンが始まるのだ。 発災直後、1Fの作業に携わった約70人の身元が不確かで、うち32人と連絡が取れず、実在しない人物が紛れ込んでいた。主要国では、治安当局の情報を基に犯罪歴、薬物依存、借金などを調べ上げ、テロリストの協力者になる恐れがないか監視しており、「身元不明の作業員」など有り得ない。 内部者による情報漏洩や妨害破壊行為を恐れるIAEAは10