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ブックマーク / flipoutcircuits.blogspot.com (6)

  • 誤解を誘う記事の作り方を学ぶ:NewSphereさまの事例

    やや長文になったので,最初に要点を: ここで取り上げるのは,経済政策の話じゃなくって,ニュース記事の書き方の話. NewSphere は,クルーグマンのブログ記事を参照したと言いつつ,実際にはそこで論じられていない現日銀の政策批判が論じられているかのように誤解させる記事を書いている. この書き方は単純な英文誤読ではありえない. また,参照記事の明示が不適切だ. もっとフェアで誠実な書き方をしてください. 追記:その後,NewSphere の当該記事は取り下げられた.ぼくは,この対応は立派だと思う. イントロ ツイッターの TL で少し話題になっていたのでのぞいてみたところ,《「海外視点」で日を報道》を謳う NewSphere という媒体が,次のような記事を載せていた: 「クルーグマン教授、日銀のQEにインフレ達成効果ないと断言 米誌などは反論」(NewSphere, 2015年3月18日

    誤解を誘う記事の作り方を学ぶ:NewSphereさまの事例
  • クルーグマン「エーゲ海のワイマール」(2015年2月16日付コラム)

    クルーグマンが『ニューヨーク・タイムズ』のコラムで,ギリシャに過大な債務返済を強制するのは第一次大戦後に敗戦国ドイツに巨額の補償金を払わせようとしたのと同様の愚行だと論じている. Paul Krugman, "Weimar on the Aegean," New York Times, February 16, 2015. 以下,コラムをざっとなぞってみよう.引用部以外は翻訳ではないのでご注意を. 不況のいまは,財政刺激と金融緩和政策を打つべきだと主張すると,きまってワイマール時代のドイツを持ち出して反論する人たちがでてくる.「財政赤字と金融拡大をするとハイパーインフレになるぞ,ワイマールが実物の教訓じゃないか」と彼らは言う.

  • クルーグマン:「リカード等価定理」について区別すべき5点

    ピーター・テミン&ダヴィッド・ヴァインズ「なぜケインズが今日大事なのか」に言及して,クルーグマンが「複数の別々なダメ論証を「リカード等価定理」の見出しのもとに混在させてるように思える」と指摘して,次の5点を区別すべきだと述べている: First, there’s the Say’s Law argument: because spending must equal income, any increase in government spending must be matched by a fall in private spending. “This is just accounting,” declared John Cochrane. No, it isn’t — and it was the remarkable fact that prominent economists we

  • クルーグマンは何を「失敗」と言ってるのか

    ポール・クルーグマンが,『ニューヨークタイムズ』(10月30日付け)のコラム "Apologizing to Japan" で,「日にごめんなさいしなくちゃいけない」と書いている. クルーグマンやバーナンキ元連銀議長は,デフレに陥った日のマクロ経済政策が間違っていると批判していた.もしもアメリカやヨーロッパで同様の経済問題が起きたならずっとうまく対処できる用意があると思っていたのに,いざフタをあけてみたら,日以上に対応がお粗末だった.だから「ごめんなさい」というわけだ. 1. 誤解をさそう新聞記事見出し 日語でも,この発言を伝える記事がいくつかでている. 《ノーベル賞経済学者の「日への謝罪」》(読売新聞 (Yomiuri Online),2014年11月1日配信) 《「欧米経済、もっと悪い」 クルーグマン氏 日に謝罪》(東京新聞,2014年11月1日夕刊) 《ノーベル賞経済学

    prisoneronthewater
    prisoneronthewater 2014/11/02
    乙です。/クルーグマンが「謝罪」する度に日本のメディアやダメ知識人が曲解して伝えるので一々注意書きをしなければならない。
  • 岩田日銀副総裁の発言書き起こし(財政金融委員会;10月28日)

    2014年10月28日に行われた財政金融委員会での岩田規久男日銀副総裁の発言を,一部のみ書き起こした.ソースは「参議院インターネット審議中継」の録画. ▼ 就任前の「2パーセント目標ができなければ辞任」発言について(34分47秒あたりから,36分17秒あたりまで.) えー,昨年春の,あのー,副総裁の任命に関わる国会での承認の,所信声明では,2年経って,まあ2年,2パーセントの物価目標安定を,できなかった場合には,なにか自動的に辞めるというような,そのような説明に,理解されるようなことになってしまったことを,深くいま反省しております.で,[ヤジ] で,もうその当時もすでに反省して,それが,当の責任の取り方ではないということで,えー,その,昨年の春の,副総裁就任の記者会見においてはですね,私の責任の取り方の説明を,次のようにいたしました. [読み上げる]仮に――それは,昨年の春の就任のときの

  • クルーグマン『そして日本経済が世界の希望になる』(PHP新書,2013年)

    出たので読んだ:クルーグマン『そして日経済が世界の希望になる』(PHP新書,2013年).「アベノミクスの金融政策・財政政策は正しい,いいぞもっとやれ」という話を中心に,日の各種制度についての提言や,今後の世界経済の展望なども語った一冊.日オリジナル版. [1] のなりたち:訳者でもある大野氏によるロングインタビューとメールでの質疑応答をもとに,語りおろしによる全5章の論述に構成されている. [2] 骨子はきわめて明快だ――安倍政権が掲げる経済政策のうち,(1) そもそもクルーグマン自身が推奨していたインフレ目標政策は有効だしできればインフレ率4%くらいが望ましい;(2) 財政政策は「その積極的な拡大を行う必要がある」(p.39);しかし (3) 構造改革は重要でない:「為政者は誰もが構造改革を約束するが,そうした態度自体を私は疑っている」(p.48).(それぞれの論拠と,よくある

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