先日、経済評論家の上念司氏、エコノミストの片岡剛士氏と私の三人で、近時の経済問題について公開討論の機会を得た。我々三人は世の中でいうところの“リフレ派”である。“リフレ”は、リフレーションの略語であり、日本の長期停滞がデフレ(物価下落)とデフレ予想によってもたらされ、その解消には金融政策の転換を必要条件にした低インフレ(とその予想)が必要だと考える人たちである。 その討論の場では、現在の日本経済の状況を打開するための政策手段が話題になった。特に上念氏から日本の外貨準備高を財政政策の財源として活用する案への同意を求められた。私も執筆者のひとりである『日本建替論』(麻木久仁子・田村秀男・田中秀臣、藤原書店2012年)で、かってこの外国為替特別会計(外為特会)の積極的活用を、共著者の田村秀男氏が主張したからである。本の宣伝文句が、「100兆円の余剰資金を動員せよ!」とあるのは、この外為特会の活用
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